恋するように旅をして (講談社文庫 か 88-3)
恋するように旅をして (講談社文庫 か 88-3) / 感想・レビュー
ミカママ
角田さんの旅エッセイ、お金が貯まればフラッとアジア行きのチケットを手に入れて…というのを繰り返しておられた時期があったようだ。私自身でいえば、独身時代には「正社員」であることが必須で、2週間の休みを取って旅するのが精一杯。幸か不幸か職場の恩恵でホテルが半額になったので、バンコクでもオリエンタルとシャングリラしか泊まったことがなかった。バックパック担いで、安宿に泊まって…というのはわたしには無理。今作の後半ではヨーロッパにも行ってらっしゃる角田さん、それもいいけれど、やっぱり彼女にはアジアが似合う。
2023/04/15
ヴェネツィア
読み始めた時は、世に旅行作家と称される人たちはさすがに上手いものだと思った。例えば沢木耕太郎、高野秀行、下川裕治といった人たちだ。彼らはその土地の温度や空気感を描くのが実に巧みなのだ。そうした意味ではやや不満を覚えつつも読み進めるうちに、彼女の文体に慣れてきたのか、あるいは書く側の力量が上がってきたのか、後半は個性あふれる紀行を堪能できた。ことにスリランカのアヌラーダプラとモロッコ篇は、この人ならではの文体を駆使し、彼女の旅のフィールドに惹き込んでいく。そこには彼女の小説とはまた一風違った味わいがあった。
2017/09/22
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
角田光代さんの旅エッセイ集。スリランカ、シンガポール、タイ、ベトナム、ミャンマー等のアジアの国と、アイルランド、モロッコ、スペインを角田光代さんが一人で旅したエピソードの数々。「ツーリスト・インフォメーションの部屋にて」が特に好み。角田さんの小説は苦手なのだけれど、旅エッセイはもっと読んでみたくなった。
2017/10/26
nico🐬波待ち中
「オーストラリアってアメリカのどこにあるの?」高校時代こんな質問をマジでして友人を困らせた角田さん。地理は学校では学ばす自分の足で理解したそうだ。地図が読めず方向音痴…でも一人旅が大好き!しかも普通の旅行者が行かないような不便な場所をわざわざ選んでる。旅先で言葉が通じなくても、知っている色んな言語を混ぜながら身ぶり手振りでその国の初対面の人達とげらげら笑いながら会話する角田さんはとてもチャーミング!旅先に恋い焦がれる角田さんには、自分の足で作り上げた自分だけの「地図」をこれからも広げていってほしい!
2016/11/10
りずみぃ
スケールのデカイ迷子の世界散歩。地図が読めない角田さんは、積極的に世界に迷子になりに行く。素晴らしい。どんな綺麗な写真や美味しいグルメ案内よりも「旅に出たい。脳がヒリヒリするような見知らぬ体験をしたい」と思わせる旅行記‥‥いや、世界道中膝栗毛。
2017/06/28
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