はじめてわかる国語 (講談社文庫)
はじめてわかる国語 (講談社文庫) / 感想・レビュー
ばりぼー
教育大学を出て国語の教員免許を持っている著者にとって、「国語は自分の専門領域だという意識がある」ため、「理科や社会科について書いた時のほうが門外漢ならではの気楽さがあった」とあとがきにあるように、かなり力の入った国語教育批判の書。「坊っちゃん」の冒頭部分だけを読ませて、主題は「清への愛」だのという麗しい方向へ引きずり込むいかがわしさを指摘する「国語って正体不明の学科だった」、常用漢字表を意識するために「ら致」「だ捕」と表記される新聞の不自由さを笑う「悩ましきかな漢字」など、首肯できる正論ばかりです。
2016/06/13
navyblue
もしかすると、電子版は最近出たものなのかも知れません。少し内容は古いのですが、今改めて「国語」とは何なのかを考えるよいきっかけになる本です。とはいえ、清水節なので、サクサクと読めました。間にどーんと入るサイバラ画伯のページは、それまでの内容とはほとんど関係なく突っ走っているところも笑えて楽しめました。谷崎潤一郎の「文章読本」についての考察がこれまた興味深く、さらに詳しい(らしい)齋藤美奈子さんの「文章読本さん江」を読まなくちゃ、と思いました。
2019/04/10
Kaz
日本語は難しい。それを教科としている国語科は、もっと難しい。その国語科を教えるのは、さらに難しい。その難しい国語科が好きな私は、他人から見て、結構難しい人間だったりする。でも、難しいから魅力がある、そうありたいものです。
2014/09/29
カニック
国語にまつわるエッセイ。世界でも屈指の難しい言語のこの国に生まれたことが逆に幸いと思えました。いつまで経っても学びの多い日本語が大好きです。
2024/08/29
NBかえる同盟
再読。「そうだ、清水義範を読もう」的に、さっと手に取った1冊。単行本は2002年12月、文庫化は2006年2月で、やはり出てくる話題や例が少々古い。そう言えば、この本のお陰で高島俊男氏の存在を知り、著書も何冊か楽しませてもらったのだった。今回の再読で、斎藤美奈子氏とその著書に興味をもった。再読で印象ってかわるもんだな。
2022/11/02
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