試みの地平線 伝説復活編 (講談社文庫 き 15-22)
試みの地平線 伝説復活編 (講談社文庫 き 15-22) / 感想・レビュー
lonesome
「おまえらは、おまえらのトン汁を見つけたか、小僧ども」(p.100)「ハードボイルド小説の中にあるのは、傷の痛みであり、傷の悲しさである。生きることの痛みであり、生きることの悲しさである。それらはすべて行間にある」(p.202)ヤバイ、北方謙三かっこいい。自分はあるときから男でもなく女でもなく真ん中であろうとそう思って生きてきた。でも、自分に自信もなく好きな人に気持ちを伝えることも出来ず嫌われて、ああ男らしくなかったと気づいた。男らしくなろう。俺は男だと胸を張って生きられるように。
2015/10/05
GAKU
ホットドッグプレスに連載されていた、伝説の青春相談「試みの地平線」16年395回から傑作問答を厳選。そうあの名回答「ソープに行け」はお馴染ですよね。最初の17歳童貞君のお悩みからいきなり「ソープに行け」ですから。選りすぐりなのに、何回「ソープに行け」という回答登場したでしょう。勿論それ以外にも、男とは?ハードボイルドとは?友情とは?といった北方ワールド満載のお答えも盛り沢山。女性に関するお悩みの回答は、女性が読んだら多分怒り心頭。下手なユーモア小説読むよりよっぽど面白かった。やはり、我らが北方先生!
2016/03/14
りんご
1冊目はあんまし響かんかったんですが、こちらは16年の連載から厳選とあり、なかなか痺れさせてきます。「ソープに行け」の他に「SMクラブに行け」なんてのもありました。男が、女がという言い回しもあり、時代遅れに感じてしまうかも?と心配して読んだのですが目先の男女差別ではないんです、もっと広い視野で見渡せば分かる。北方さんは人間そのものに愛を持ってるように感じます。「仕事が楽しいわけねえよ」って回答、良いですね。
2022/03/24
きのぴ
私が愛読する水滸伝シリーズの著者である北方先生が、読者からの相談に答えたものをまとめた一冊。もうだいぶ前の本だけれど今読んでも古いと感じることはなく、若者の悩みは今も昔も変わらないことになんだかほっこりしました。「ああこの人ならあの水滸伝を書き上げるなぁ」と読み終わって納得しました。北方先生自身も水滸伝の108人のような漢でした。
2018/05/21
いちろく
著者の有名なフレーズ「ソープへ行け!」の元ネタはコレなのですね。「ホットドック・プレス」の青春人生相談に寄せられた相談と返答の中から選出された内容をまとめた一冊。当該期間が主に90年代の為に、今の価値観からみると時代に合わない内容も当然ある。一方で、時を経ても変わらない熱いメッセージもあったと思えたのも事実だ。本書を読む前後で「ソープへ行け!」というフレーズの印象も多少は変化したよ。余談であるが、これだけインパクトのあるフレーズを何度も引用しながら、著者自身はソープへ行ったことはないそうだ。
2024/11/22
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