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分冊文庫版 絡新婦の理 (四) (講談社文庫)

分冊文庫版 絡新婦の理 (四) (講談社文庫)

分冊文庫版 絡新婦の理 (四) (講談社文庫)

作家
京極夏彦
出版社
講談社
発売日
2006-02-16
ISBN
9784062753173
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分冊文庫版 絡新婦の理 (四) (講談社文庫) / 感想・レビュー

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セウテス

素晴らしい、これ迄の作品に登場した数多くの人びとや関係したエピソードが、本作の中で収まる処に収まった感じだ。もしも蜘蛛の巣の上に、今までの作品が計算ずくで置かれていたのなら見事としか言えない。絞殺魔、目潰し魔ら実行犯が捕まっても、何も解決しない。犯罪を創作している作家「蜘蛛」は、いったい誰なのか。どうしてなのか、蜘蛛の正体は割りと簡単に予想出来る、という読者が多いのに衝撃を受ける。数々の名作の謎を解いてきた、私はそう思っているのですが、本作は全く解らなかった。それにしても京極ワールドのなんて独特な事か。

2016/01/16

えみ

凄まじい呪縛の連鎖の果てで幾つの屍を積み上げたのか。その絡新婦、猛毒を宿す。バラバラに散らばっていた事件の点と点は京極堂の元へ誘導されるが如く集まり、不本意だと愚痴りつつもその手でしっかり結び、線にする。そして遂にその線が描く像が白日の下へ晒される。思い込みや勘違い、後ろめたい気持ちや秘め事。そんな心を利用して意のままに操る。妖怪?悪魔?呪詛を囁くのは誰?黒幕の真の貌は結局関係者誰も暴けず拝むことはできなかった…。春霞に消えていく絡新婦の残滓を纏うその幻を見送った陰陽師、そして小説家の二人を除いては。

2021/08/08

みや

四方に広がる複雑な糸は、縦にも重層を成して、過去から連綿と続いていた。渇望は人を惑わし、女を狂わし、苦しませる。「貴女が蜘蛛だったのですね」このフレーズで、初めて読んだ際に得た高揚感が一気に甦った。百鬼夜行シリーズの記憶は、当時の黒歴史と共に封じ込んだ部分が多いのだが、この作品が一番好きで、興奮の波に呑まれた感触を確と思い出した。再読でも答えは同じ。「桜花ノ理」(陰陽座)をまた前向きに聴ける気がする。一巻冒頭の短歌「おまへならでは」は誰なのだろう。謎は多く残り、まだ蜘蛛の糸に絡んだままのように感じる。→

2017/01/10

ソラ

解決編。最後の部分が冒頭のあの部分につながっていくところで終幕。これだけ多くの人が関わった事件の黒幕となる蜘蛛の深謀遠慮が計り知れない。とても面白かったのだけれどなんともやりきれなくて後味は悪い…

2016/01/16

カノコ

京極堂の憑き物落とし、開幕。複雑に絡んだ因果の糸は呪いにも似て、それを丁寧に解きほぐしていく工程に圧倒される。少しずつ塗り替えられていくような感覚がある。これは、仕掛けよりも仕組みの話だ。まさに、横糸を辿れば元の場所に行き着く蜘蛛の巣そのもの。ラストまで読み終えて、あまりの美しさに全身が痺れた。研ぎ澄まされた凄み、圧巻の物語性。美女ばかりで確かに華やかだが、それだけにカタストロフの衝撃は大きい。トータル1300頁超と相変わらずのボリュームだが、これまでのシリーズ作品よりも断然読みやすい。とても面白かった。

2023/08/02

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