フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫 さ 87-1)
フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫 さ 87-1) / 感想・レビュー
ましゃ
とにかく狂っとる。自殺した妹のための復讐劇なんだけど、正義の鉄槌をかざしてると思ったら鉄槌はどっかにいってて、何故か自分の手が血塗れになっていたみたいな話…かな?善意だと思っていたものが悪意で、悪意だと思っていたものが善意にもなる…要は善意と悪意は隣り合わせだって事。ほら、殺意が完成した。簡単ですね。あとがきで作者が言ってますけど、ホントに愛も勇気も信頼も獲得しえない作品です。あの最後の一行は本当に誰も救われてない。ミステリーのごった煮みたいな感じで好みが分かれると思いますが、私はこの狂い具合は好きかな。
2018/10/06
チアモン
さすが、メフィスト賞。ぶっとんでるなぁ。登場人物がみんなぶっとんでる。ラストもやっぱり狂ってるし・・・。文章は読みにくいけれど、なぜか好き。他の作品読もうっと。
2019/01/20
ピエール
久しぶりに読んだ佐藤友哉作品。あーいい感じで狂ってるなぁ、中高生が好きそうと思いながら面白く読めました。妹の自殺の原因をつくった加害者(関係者)に復讐を行う公彦のシーンと、突き刺しジャックという連続殺人鬼を追う幼馴染の明日美のシーンが交互に繰り返されて進んでいきます。第6章から終章までが特に面白く、ぶっ飛んでる→あれ?ロジックがよく練られてる→やっぱりぶっ飛んでる(笑)とメフィスト賞好きなら大好物の展開に仕上がっていると思います。鏡家サーガシリーズの続編、ぜひ読んでみようと思います。
2017/04/13
たかなし
なんか想像してたのと全然違った(笑)ちょっとラノベっぽいかな。思ったよりミステリーしてなくて残念。でも普通の小説としてはまぁまぁ楽しめた一冊。
2018/07/22
東京湾
あらゆる意味で壊れている。人に勧めようとは間違っても思わないが、自分は心から楽しむことができた。とんでもない小説だ。妹の自殺、渡されたビデオ、殺意の完成、そしてこの壊れた物語の幕が上がる。加速度的に膨れ上がり発露する狂気に、どうしても目が離せなくなってしまう、そんな著者の力量というか荒業を見せつけられた。恐らくラストは誰も予測できないだろう、というか人によってはキレるのではなかろうか。よくもまあこんな物語を書けたなあと思う。「鏡家サーガ」、少し追ってみたい気分になった。
2017/02/14
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