分冊文庫版 塗仏の宴 宴の始末(下) (講談社文庫)
分冊文庫版 塗仏の宴 宴の始末(下) (講談社文庫) / 感想・レビュー
セウテス
下巻。全ての事件は、中禅寺が乗り出さない為の脅しである。中禅寺が動き出してからは、流れる様に解決編が進んで行く。宴の始末というが、実際の謎解きは物語のラスト1割位なのではないか。謎の骨組みとしては、あまりにも壮大過ぎて納得というよりかは、そうなんだと思い込むしかない感じだ。こうなると、ミステリとして読者が謎を解くという楽しみを、最初から考えに入れていないとしか思えない。一方的に言葉の津波を起こして、人の知恵では及ばない災害の如く、人の記憶に残していくのみであろう。キャラ物と認識すれば、充分楽しめると思う。
2018/12/20
ゆいまある
ここに来て一気に謎が解けるんだが、遅いよ。幾ら謎解きされてももう誰が誰だか覚えてないよ。しかも暗くて悪意に満ちた場面ばっかり続いて読んでて楽しくない。このシリーズ中唯一ギブアップしようかと思った。多分主要キャラ全部使って凄い物語にしようとしたんだろうけど、話が暗過ぎて盛り上がらないぐずぐずのラスト。爽快感もない。何より京極堂が元気がなさ過ぎる鬱展開で読んでて滅入った。次作はもう少しコンパクトに纏まってるらしいので期待。でもちょっと休憩したい。疲れた。
2019/04/04
えみ
魑魅魍魎が跋扈した宴の後の静けさを、いま余韻として噛み締めている。元は一つだった陰謀が歳月を重ね、様々な人間が関わり、企みは憎しみに、憎しみは争いに、徐々に形を変えていき、結局は目先の出来事に足を盗られ、主客が入れ替わってしまった。明確な意思を持った黒幕だけがこの世界の創造者として君臨する。人が死に、友人が捕らえられ、家族が怪我をして…多くの者が悲劇の巻き添えになったこの一連の行為。牽制?嫌がらせ?恐ろしすぎる。いつにない京極堂の心の揺れが新鮮だったが、そんな姿に動揺もした。本当の宴の終演まで見逃せない!
2021/10/10
Nyah
京極堂は動こうとしない。自分が動かなければ誰も死なないゲームなのだと、邪魔者は洗脳するもしくは記憶を改竄すれば良いと思っている連中だ、表立って事件は起きてないと。しかし、死があった事を榎木田に指摘され、立ち上がる。成山堂曹方士、みちの教え修身会磐田純陽、条山房張果老、大斗風水純の南雲正陽、韓流気道会韓大人、華仙姑処女、藍童子、東野鉄男の8人が揃っている事が必要。そして戸人村佐伯家に一堂が会した際驚愕の事実が。「愉しかったでしょう。こんなに長い間楽しませてあげたんですからねえ」。宴の“黒幕”は笑った。😩
2022/07/30
ソラ
京極堂の動きがいつにもましてないなと思ったら今回の事件は根は陸軍時代にあり、うかつに動けない状態であったことが判明。しかしその京極堂を動かすために、礼二郎が乗り込んでいった際に、初めて京極堂の人間らしさが垣間見えた気がした。
2016/02/21
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