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出口のない海 (講談社文庫)

出口のない海 (講談社文庫)

出口のない海 (講談社文庫)

作家
横山秀夫
出版社
講談社
発売日
2006-07-12
ISBN
9784062754620
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出口のない海 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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サム・ミイラ

横山秀夫の文章は無駄も装飾もなくそれでいて美しい。それが戦争の現実をより一層浮かび上がらせる。神風特攻と並び語り継がれる人間魚雷回天の真実。子供の頃父が語り聞かせてくれた話を思い出しながら読んだ。父は海軍で空母に乗艦していた。この回天の事も父から聞いた事があった。もうそんな話すら聞けなくなった今だからこそ読むべき本だと思う。こうしている今も世界のどこかで戦争の犠牲者は生まれている。多くの人が死んでいる。もうこんな事はやめませんか。世界の指導者よお願いです。戦争で亡くなった世界の全ての人々に哀悼を捧げます

2014/12/26

読了後に海老蔵さん主演で映画化されていることを知りました。何かイメージと違うぞと思ったのは私だけでしょうか。。 主人公は特攻で散華されるものだと思っていましたが予想外でびっくり。ある意味回天は訓練で亡くなった人多かったと思うので現実的な終わり方だったと思います。大和ミュージアムで回天を見ましたが本当にでっかい棺桶みたいなくせに、操縦席は物凄い狭さ。戦闘機の体当たりよりも孤独で息が詰まりそうで気がおかしくなるだろうなと思います。実際日本軍自体がもはやおかしくなってたのでしょうが。

2012/07/29

yoshida

【戦後70周年~しっかり読みたい戦後と平和の本】イベントにて読了。野球に挫折した大学生の並木は、野球に情熱を取り戻していく。しかし、時代は太平洋戦争に突入。並木は学徒出陣し人間魚雷「回天」に乗る。野球の話はやや冗長と感じる。戦時下で士官が「魔球」開発に取り組むのも違和感がある。並木の美奈子への手紙は良いと思う。総じて綺麗に纏めすぎかと。戦争などしたくない。当時は植民地支配が当然の時代。独立を保つ為には外交の最終形態で戦争はあり得る。戦争は大国のエゴ。国の為、家族の為、散華した方々を追悼していきたい。

2015/08/14

おしゃべりメガネ

【戦後70年】「終戦記念日」の本日、読了する事が出来、何とも言えない気持ちです。横山さんが書く戦争青春小説ということで、必然的に期待が高まりますが、そんな高いハードルを軽々と超えてしまう素晴らしい作品でした。限られた登場人物と時系列の中で、これほどまでドラマティックに物語を描く作風は荘厳です。もちろん、哀しい物語ではありますが、ただシリアスに淡々と書き綴るのではなく、人物それぞれの未来への希望が、さりげなくも眩しく綴られている描写には、涙がジンワリときて胸が熱くなりました。尊い命に追悼、そして合掌。

2015/08/15

HoneyBear

「回天」で死に向かう若者(元甲子園のエース)の心、残される人を想う気持ちを、陰鬱になることなく最後まで読ませる。素晴らしく心に響く小説。やはりこの書き手は只者でない。

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