分冊文庫版 陰摩羅鬼の瑕(上) (講談社文庫)
分冊文庫版 陰摩羅鬼の瑕(上) (講談社文庫) / 感想・レビュー
セウテス
【京極堂シリーズ】第8弾、上巻。長野の伯爵由良は婚礼の翌朝、新婦を殺害されるという事件が、過去4回と起きている。今回5度目の婚礼をあげるに際し、事件を防ぐべく探偵榎木津が雇われ、作家関口も助手として鳥の城と呼ばれる館を訪れる。生と死に対する哲学的論争は、今ひとつ物語に入り込めず苦労していたが、さらりと横溝正史先生を登場させてしまう展開には驚きを軽く飛び越えた。榎木津が病で視力を失い、関口が前作の痛みから鬱状態、これでどうなるものかと思いつつ、物語の流れには乗れた。他のレギュラー陣が気になりつつ、中巻へ。
2020/11/26
えみ
でた、癖のある怪しい人物!複雑で多少の人間失格感のある人が奇々怪々と独白し出すとこれぞこのシリーズの醍醐味!!と必要以上に興奮する。前作で堕ちる所まで堕ちた関口君も相変わらずの精神崩壊状態で、一般的には生きているのだろうけれど、幽鬼の類もお仲間だと勘違いするんじゃないか?と思う程その存在が死んでいる。心配だ…。なんせ目前に事件が迫っているのだから。婚礼を上げる度に花嫁が死ぬという由良昂允に依頼されて一時的に盲目となっている破壊探偵・榎木津礼二郎と彼の介添えとして同行した小説家・関口巽が屋敷で視たものとは!
2022/05/08
佳乃
「鳥の城」にて、事件はまだ起こってはいないけれど、また同じように起こり得るということで、序章が長い・・・長いけれどここに「横溝先生」登場。関口君は変わらずでやっぱりそのままでいい。榎さん、「人殺しがいる」宣言したけれど、誰が?何のために?怪しくないからこそあの人なの?
2018/06/20
*maru*
「貴方にとって生きて居ることと云うのはどのような意味を持つのです」。百鬼夜行(京極堂)シリーズ7作目。今回の舞台は白樺湖畔。 無数の鳥の剥製が鎮座する洋館の主、伯爵こと由良昂允はこれまで4人も花嫁を失い続けた。5度目を阻止すべく伯爵の依頼を受け館に乗り込む榎木津と関口。視力を一時的に失ってしまった神と下僕は繰り返される惨劇を止める事が出来るのか。関口の鬱屈した思考回路の中を浮遊しているような読み心地で何とも不安。このシリーズ初、その関口と意見があった。私も鳥が怖い。中巻へ続く。
2017/02/11
yucchi
序盤の関口語りのところはなかなかページが進まない。関口の負のオーラに引きずり込まれそうになる。街中で関口を助けてくれた人物にニヤリとしてしまった。相変わらず榎木津はマイペース。目が見えなくても過去は見えるんだ。それにしても雪絵さん、いい奥さんだな〜。嫁に欲しい(笑)
2014/07/18
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