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高瀬川 (講談社文庫)

高瀬川 (講談社文庫)

高瀬川 (講談社文庫)

作家
平野啓一郎
出版社
講談社
発売日
2006-10-14
ISBN
9784062755399
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高瀬川 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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Shinji

初読みの平野啓一郎さん。かなり技巧的な文学作品ですね。読まれた方のレビューを見ると結構チャレンジ感の強い作品のようではあるのだけどキチンと著者の流れはくんでいる様でした。どの作品も理解力の無い私にとっては難しすぎてポイントの持っていき所に悩みましたが、「氷塊」の進行技法と上下各男女パートの些細な事象につまづくような微妙な気持ちの揺れの表現は綺麗の一言でした。後、表題の「高瀬川」はひょっとして著者の実体験からくるお話なんでしょうか?

2017/02/04

ケイ

平野さんは実験的に色々と試みられたのだと思う。四つの短編は、それぞれ構成が違ったり、性描写が激しかったり、心の交流を描いていたり、変化にとんでいるという意味では飽きさせない。しかし、私は小説には心にひびくストーリーや、高揚感、娯楽性を求めるのだが、それを満足させてくれるものではなかった。とても上手いけれど、その先にいくには何かが足りない気がする。

2014/11/14

かみぶくろ

3.8/5.0 四篇の短篇集。後ろ二作は形式が実験的。冒頭の「清水」は晩年の芥川を思わせるような死の臨在感があって、怪しい魅力があった。「高瀬川」はラブホテルでのアレを描くが、なんかこうも的確に描かれると逆に失笑してしまう。ただこちらも後半は死が仄めく印象的な展開で、情景が美しく脳裏に残った。

2024/10/05

James Hayashi

表題作は作家と編集者の性愛を描いているが、生々しい描写はエロティックであるが文学性も感じる。かと言って何が優れているかは感じ取れないし、何を言いたいのか理解できず。そういう意味ではエロ小説に分類してしまう。「追憶」はロゼッタストーンに刻まれた古代文字のよう。「氷塊」は斬新なテクニックを用いている。上段を読んだときは一面的だったものが、下段を読んだ途端複層的になり立体的になり個人的に非常に面白みを感じた。カウパー氏腺液の役割など知らなかった。

2017/05/05

はまだ

この短編集の表題作「高瀬川」にある合理的な根拠のない、説得力のある衝動。きみょうなペットボトルに向けられた衝動。「マチネの終わりに」は、まがうことなき名作だが、この平野さんはほんとなんでもできる。さらに、「氷塊」は、上の段と下の段で、少年の物語と、不倫をする女の物語が同時に進行する。その2つの物語は、同じ場面を2つの視点で描きながらも、ときおり文章が交錯する。まがうことなきすばらしい短編。まがーうことーなーきーで登場したい。わからない?それは俺もだ。まがうことなき名作。是非とも★4.5 まがうことなき

2020/03/29

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