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底のない袋 (講談社文庫)

底のない袋 (講談社文庫)

底のない袋 (講談社文庫)

作家
青木玉
出版社
講談社
発売日
2007-01-12
ISBN
9784062756044
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底のない袋 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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はるき

青木玉さん初読み。日常と地続きの文章が心地よい。幸田家三代目の彼女による祖父・露伴、母・文の語りが面白い。日常生活の中には楽しみも喜びも沢山あると教えてくれる。硬すぎないのがまたいい。

2015/03/23

きりぱい

”勝手口のうちそと”の章がいい。箸や酢、たわしなど、母幸田文のならいをそばで見ていた娘としてどんな風に家事を語るか、おっとりと読めながら、時々文章の運びが似ているなと感じるところがあったり。箸では市原平兵衛商店(箸屋)に来ていたんだーと親近感。幸田文は露伴のことをたくさん書いているけれど、ここでは、遅刻させても朝ごはんを食べさせる露伴がいたり、露伴に小言を言われ続けた文は娘の料理には小言を言わず鷹揚だったりと、孫として娘として語る二人の話もまた興味深くていい。

2014/07/23

わっぱっぱ

 幸田文を読んだ流れで手に取った。  洗練されていて、かつ自然体な文章が、清々しい。  伝統や、先人の知恵といったものに敬意を表しながら、決して懐古趣味にはならず、潔く今を生きる姿勢を素敵だなと思う。  気持ちの落ち着く随筆集。

2015/12/09

あ げ こ

「楓の谷」が特に印象深い。『木』「安倍峠」に於いて、本来幸田文が語るはずであった光景。幸田文自身が是非にと願い、訪れた楓の純林で見るはずであった光景。その美しい楓の芽吹きを、彼女の娘である作者が見る喜び。丁寧に言葉を用いて目にした光景を大切に綴り、娘は母より譲り受けた役目をしっかりと果たす。母と娘の繋がりを感じる、とてもいい随筆であった。両方の読者である自分は、一読者が勝手ではあるのだが、ただただ嬉しく思う。

2013/09/05

ねむい

前半、読んでいるうちに、NHKなんかでやっている、職人の仕事をナレーションつきで紹介する番組を見ているかのような気分になってきた。祖父・幸田露伴についての記述を読んでいて、玉さんは人の気持ちを想像する能力に長けていらっしゃるのかなと思った。身内に対してここまで客観的な目を向けられるのはさすがです。

2016/04/14

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