ピアニッシシモ (講談社文庫)
ピアニッシシモ (講談社文庫) / 感想・レビュー
ちょこまーぶる
スラスラ読めたんですが、ただそれだけピンとこない一冊でした。表題の「ピアニッシシモ」という聞きなれない音楽用語の意味は理解できました。思春期の難しい二人の女性が友人関係・親子関係の葛藤を経験しながらアイデンティティを探しているという話のようですが、あまりにもあっさりと表現されていて、今一つ彼女たちの心の中はもっと複雑なんじゃないかなと思いながら読みました。ただ、それが読者に投げかけた作者さんの意図であるかもしれないのですが・・・。ちょっぴり物足りなさを抱いていたわけですが、挿画はお気に入りの一冊ですね。
2015/04/30
ひめか*
隣の家から聴こえるピアノの音が聴こえなくなり、他の人に譲られると知った松葉は、そのピアノの行方を追って紗英と出会う。紗英はピアニストの卵で、松葉と家庭環境も性格も正反対だった。紗英が恋に落ちた相手が最悪。でも家庭であまりにも縛られているとこうなっちゃうのかなと思ったり。折角松葉が助けようとしているのに、セトは冷たくてひどいなと思う。悲しくはないが、ハッピーとも言えないような終わり方。紗英は落ち着いて良かったが、二人が元に戻ってくれればいいなと思う。松葉は紗英に対して少し恋愛めいた気持ちを抱いていたのかも。
2016/09/18
星野
図書室にて。著者は初。言葉、特に会話が繊細な符号を並べているようで美しいなぁと思った。天才に憧れる主人公の図は元々好みだが、そうか、女の子同士だとこんな感じになるのか。児童文学、の枠を超えることなく、リズムを大切にしながら多感な少女期を表現している。ラストの展開は、著者が大人だからこそ描けた終着点なんじゃないだろうか。
2014/12/18
岬
友情は、必ずしも両想いとはかぎらない。それでも報われなくても何かしたくてたまらなくなる片想い。
2013/11/07
なつ
児童文学のようですが、この時期をとっくに通り越してしまった私には、少しの痛みと懐かしさを抱えて読了。松葉と紗英の友情も、見に覚えがあり、ちょっと痛かった。15歳の頃に読んだら、もっと衝撃を受けたと思う。
2014/10/29
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