新装版 カディスの赤い星(下) (講談社文庫 お 47-26)
新装版 カディスの赤い星(下) (講談社文庫 お 47-26) / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
直木賞】舞台はスペイン。マドリッドからカディスへ。反ファシスト愛国革命先生(FRAP)のフランコ暗殺計画。スペインの秘密警察(BPS)と入り乱れて事件が展開。最後は関係者の人間関係が明らかに。大野を那智が送っていくというのが納得できない。どうして那智が亡くならなくてはならなかったのか。自分の大切なものが何かを示すためだろうか。
2014/05/10
NAO
この作品は、「カディスの赤い星」というギターをめぐる話でありながらも、フランコ独裁に苦しむ人々、その独裁政権に抵抗するという名目で大量殺人を行おうとする革命家の狂気を描いている。独裁者フランコからスペインの至宝を守るために制作された理由が理由だけに、「カディスの赤い星」は、フランコ政権下のどろどろとした騒乱に巻き込まれずにはいられなかったのか。サントスの正体はかなり早い段階で予測できてしまったが、複雑な人間関係にはちょっと驚かされた。第96回直木賞受賞作品。
2019/01/20
HANA
一本のギターを巡る旅は、日本を離れてスペインへとその舞台を移す。上巻だと淡々と足の探偵に徹していた主人公だが、スペインに移るやいなや秘密警察とのやり取りから過激派組織のフランコ総統暗殺まで急に物語が動き出した感じ。このハードボイルドと冒険小説が相俟った国際謀略小説、読んでいると何処か懐かしい感じがするな。そしてラストは絡まった糸が解けるように、人間関係やギターを巡る謎が解けていく。聊かご都合主義的な流れはあるが、読んでいる間はそのようなもの気に欠けず最後まで読み通さされる。いやはや面白くて一気読みでした。
2022/09/28
ken_sakura
とても面白かったヽ(´▽`)/直木賞、日本推理作家協会賞と日本冒険小説協会大賞受賞作。時はフランコ総統が死ぬ1975年。舞台は東京とスペイン。企業PRを職業とするフリーの漆田亮が大口顧客の日野楽器が招いた著名なスペイン人ギター職人に、ある男を探してくれ、と頼まれて幕を開けるサスペンスミステリー。物語が取っ付きの良さと隙の無さの両方を兼ね備えているのが印象的。登場人物の感じに藤原伊織を思い出した。題名の由来は数奇な運命を辿るフラメンコギターとそれに埋め込まれた宝石。薦めてくれたおもしろ本棚の先生に感謝
2016/12/03
JUN
一介のフリーPRマンのスペインに行ってからの尋常じゃない活躍ぶりと、最後の方は、これでもかっていう位の暴露大会に少し嫌気がさしたけど、一気読みしてしまうというのは、面白かったんだと感じた。結末は少し寂しい終わり方だったけど、余韻に浸る事が出来た。
2016/02/10
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