山ん中の獅見朋成雄 (講談社文庫 ま 49-5)
山ん中の獅見朋成雄 (講談社文庫 ま 49-5) / 感想・レビュー
yoshida
比較的読みやすい舞城王太郎作品だと思う。予測のつかない展開に、想像出来ない内容。言葉のスピード感に圧倒される。トンネルを通った辺りからは一気読みになる。「人盆」なんて考えつかない。それでもグロテスクにならずに、様式美さえ感じるのは舞城王太郎さんの成せる業だろう。個人月には、とても好みです。鬼才と呼ぶべきか。言葉の洪水と、予測不可能な展開に溺れたい時は舞城王太郎さんの作品を読むべき。万人受けはしないだろう。それでも、このスピード感とカタルシス、唐突なラストに魅了される。未読の作品も楽しみに読もうと思います。
2020/06/06
gonta19
2010/12/30 Amazonより届く。2014/2/28〜3/12年半ぶりの舞城作品。いやぁ、なんだろうこの作品は。いつもながらのドライブ感あふれる舞城ワールドではあるが、これまでの作品以上にぶっ飛んでいる。わけわからんけど面白いっちゃあ面白い。めちゃくちゃといえばめちゃくちゃ。評価不能だ。
2014/03/01
H!deking
んー、難しい。全然嫌いじゃないし、むしろこういうのは大好物なんだけど、なんなのかなー。結末が唐突過ぎるのかな、なんかもやもやする。うーん、すみません、俺の読解力では読み切れませんでした。いつか再読したいと思います。12冊目
2018/01/20
とら
先祖代々肩から背中にかけて鬣のような毛が生えている一族、獅見朋家に生まれた成雄。正直言って邪魔だし、そのせいで何個大事な物を捨てたかわからないし、何を捨てたかも覚えて無いかもしれない。でもそれは紛れも無く成雄の毛なのだ。アイデンティティ。毛を剃られてから気付く。剃られた直後に倒れたのは多分ただ単にアイデンティティが無くなったショック。本当は大事だったんだというショック。次に生え変わる毛は前の毛とは確実に違うもの。でもそれも成雄の毛であることには違い無く、成雄なのだ。エログロシーンも無く、ただの青春だった。
2013/06/21
hit4papa
背中に馬のような鬣が生えている高校生の獅見朋成雄(しみともなるお)。書道の師匠を殺害せんとした犯人を追い、山中の異空間の村落へ彷徨い込んでしまうという、筒井康隆風の不条理系の物語です。陸上のオリンピック候補という成雄のキャラクター設定がストーリーにそれほど活かされていないなど、暴走し発散する思考を無理矢理、作品世界に押し込めた印象があります。舞城作品に慣れていなければ、途中で投げ出してしまうでしょう。慣れていても終始つかみどころが見つからず、苦戦を強いられてしまいました。さて、『獣の樹』はどうかな?
2016/11/15
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