霧舎巧傑作短編集 (講談社文庫 き 48-5)
霧舎巧傑作短編集 (講談社文庫 き 48-5) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
あかずの扉の長編とは、またちがった著者の凄さを感じる短編ぞろいだった。犯罪が関わる事件なら、アリバイやトリックの見事さに感服し、日常の謎なら、物語の見事さにまたまた唸ってしまう。ラストの一編は、どこか後期クイーン問題を感じさせ、ミステリの解決とは何なのか、大いに迷わせる。それも作者の力量だろう。すべて力作であり、「傑作」を名乗るのも当然だと思う。
2019/09/18
カムイ
初読みの作家です、本格推理でもトンデモ本が多いなかに正統派になるだろう、短編6篇とも頗る良かった【動物園の秘密】【まだらの紐、再び】【クリスマスの約束】は極上の出来でした、正直期待はしてなかったので目っけものでした今年の読んだミステリーではトップクラスです、他の作品にも興味が湧く作家です。
2020/08/14
Yuki
初霧舎巧作品。なのであかずの扉シリーズなどは未読。そのシリーズの探偵・後動悟が解決するデビュー前の短編や御手洗潔のパスティーシュなど、著者のエッセンスが詰まってる。「動物園の密室」と「まだらの紐、再び」がお気に入り。最後に伏線を回収する「クリスマスの約束」みたいな話、好きだなぁ。表紙や目次が有栖川作品に近い雰囲気でオシャレだと思ったら、大路浩実デザインでさもありなん。シリーズ読んでみようかな…。
2019/02/07
すたこ
★★★★あまり読みたいとは思わない地味なタイトル(笑)短編集ながら、一つ一つ面白く読めた!更にラスト、『クリスマスの約束』の伏線の回収はお見事!!素晴らしい完結。あかずの扉シリーズを読んでおいたら、とにかく楽しい1冊。1冊だけど読んでいて良かった!面白かった!!
2017/08/22
ばりぼー
味も素っ気もないタイトルが、実は内容を的確に表している驚嘆すべき作品集。個々の単品としても、危ういバランスの上に成り立つ「論理のアクロバット」が楽しめますが、別々の短編集のために書かれた作品を、最後にクロスオーバーさせて集約する『クリスマスの約束』の力技に拍手!なかでも、御手洗シリーズのパスティーシュ『動物園の密室』をリユースして取り込む、その伏線回収のしつこさには唸らされました(笑)。泡坂妻夫を意識した『月の光の輝く夜に』では、「ヒツジ出血熱」をつい検索してしまいましたし(笑)、騙りの手口は見事です。
2021/06/20
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