平成ジャングル探検 (講談社文庫 か 100-1)
平成ジャングル探検 (講談社文庫 か 100-1) / 感想・レビュー
ホークス
鹿島茂さんは語り口はやさしいが内容が高尚で、理解できないことがある。その点この本はわかりやすく、東京の盛り場を風俗産業中心に探究し、盛り場形成のメカニズムに迫る企画。スポーツ紙の風俗記事と都市論・文明論を行き来する感じ。流れは男の欲望(風俗)から女の欲望(消費)へ、刹那的娯楽(映画や劇場)から所有的娯楽(買い物)への変遷であり、勝者例は渋谷、敗者例は浅草。又、風俗は世代交代と共にバーチャル化・視覚化が進行中とのこと。過剰な男の野蛮力を抑制することは必然であるが一種の去勢であり「草食化」の核心かと思う。
2015/12/23
madhatter
サングラスをかけるだけでヤクザに見える大学教授なんて、私の師匠だけかと思ってたよ…それはともかく。東京の悪所・盛り場の成り立ちを、フィールドワークで炙り出した本。それぞれの街の背後に、日本の現代史が透けて見えるのが面白い。特に銀座の考察は、仏文専門の鹿島氏の本領発揮といった感じだ。しかし、東京って怖いなあ(東北の田舎者の発言)…ところで鹿島さん、本当に買ってないんだろうな?
2010/02/19
エヌる@遅れてきたルーキー
歓楽街の昔と今のレポ。今読むと年数以上に遠い昔のことのように思えてしまう
2020/11/27
ニールキャサディ
街の成り立ちがよく分かる良書。新宿、渋谷など、日本のサンジェルマンデプレといえるユースカルチャーの爆発があった街が、地の利や企業や行政の政策的な意図と共に、街の持つ意識の古層で出来上がって来たのが理解できた。
2013/12/22
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