卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし (講談社文庫)
卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし (講談社文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
ああああああ、いいなぁ、宇江佐さん。読み始めは「しめしめ、これはあたしの大好物のお江戸人情モノプラスお江戸のB級グルメも堪能できる作品に違いない」とホクホクだったのですが、蓋を開けてみれば、それに加え、正一郎とのぶの夫婦恋愛物語でもあったのです!なんと贅沢な作品でしょうか。(夫婦というのは)ふたりでいてもひとりよりずっと寂しいこともある…うーむ、深いね!どの編もみんな好き。そして「卵のふわふわ」作ってみたいような気もするけど、想像して楽しむだけにしておこう、と思います。
2015/09/20
ナイスネイチャ
夫の夫婦と仲良く、夫だけ意地悪でそれに耐える嫁が主人公。子供が産まれない悩みなど料理が一応メインだがほとんど入ってこなかった。夫以外の人の温かさが際立ってほっこりいたしました。
2016/06/19
のっち♬
隠密廻りの亭主の邪険な言動に耐えかねて家を出たのぶだが、何かと気をつかう食い道楽の義父と態度を改めてゆく亭主に揺れ動く。6つのエピソードに通底するテーマは食を介した人の結びつきであり、『卵のふわふわ』をつくる場面は本書の焦点。この響きと作品のイメージもマッチしている。「おいしい物を召し上がる機会をたくさん持ちなさい」—食卓は人間関係の要所だ。とりわけ義父母の造形が魅力的で、それだけに珍味の効いた最終章は温かくも物寂しい読後感。どんなありきたりで質素な素材からも「ご馳走」を作れる著者による円熟味溢れる一冊。
2022/02/04
紫 綺
単行本にて読了。江戸時代の夫婦生活の妙を描く秀作。卵のふわふわ、美味しそう♪
2015/03/27
ぶち
登場人物がいいのです。伝説の同心。湯島学問所の学問吟味をあっさりと合格。でも、剣術はだめ。それでも江戸の外まで下手人を追いかけていって、そのまま行方知れずとなってしまう。そして、葬式が済んだ後にひょっこりと下手人を連れて戻ってきたりする。その同心が主人公ではなくて息子に嫁いできた嫁が主人公。しかもこの嫁、夫に愛想がつきて実家に戻ったりしているのです。もうこれだけで物語の面白味が増すというものです。そんな家族を繋ぎ止めているが食事です。一緒に食べるだけで心が繋がっていく。料理が物語の味わいを高めています。
2021/06/16
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