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アフリカの瞳 (講談社文庫)

アフリカの瞳 (講談社文庫)

アフリカの瞳 (講談社文庫)

作家
帚木蓬生
出版社
講談社
発売日
2007-07-14
ISBN
9784062757911
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アフリカの瞳 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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papako

これは現実なんだろうか。いや、もっとひどい状況なのかも。そっか、子供を産むということが死活問題である状況で、コンドームを使えと言ったとしても伝わらない。ましてやタダではない。そこに、まるで死ねと言うばかりの国が政策として行う名ばかりの薬。作田医師、パメラ夫婦が仲間を巻き込んで声を上げる!貧しいから、無知だから死んでもいいとか、絶対ない!パメラの活動で女性たちが変わっていく。残りページ数で、何かあるんじゃないかとハラハラした。面白いと言ったらいけないけど、読んでよかった。

2020/03/24

miww

「アフリカの蹄」に続いて読了。こちらも多くを考えさせられる作品でした。アパルトヘイト撤廃後「この国」は新たな問題HIVの蔓延に直面していた。効果の無い抗HIV薬をでっち上げる政府、貧しい国に無数にいるHIV感染者で治験(人体実験)する製薬会社。その実態調査に乗り出す作田医師、パメラに危機が迫る。「確かにこの物語の主要テーマはエイズであり人種差別であるが、著者が本当に伝えたい事はこの世に存在するより広い意味の差別や不平等、人間のエゴや欲望といった、もっと普遍的なものであろう。」この解説に納得です。

2016/06/25

KEI

「アフリカの蹄」の続編。アパルトヘイトが撤廃されてから10年後。アフリカン ルネッサンスを唱う為政者だが、現実には貧富の差が大きくなり、HIVが恐ろしい勢いで蔓延し始めた。サハラ砂漠以南の地域では世界の感染者の2/3を占めている。主人公作田は地域の医療に従事しながら、国策として進められている抗HIV薬に対する疑惑に立ち向かっていく。貧しい国への国際援助は本当にその国が将来立ちゆく為の援助では無い事にも言及され目から鱗だった。筆者の弱者に向ける優しい視線が感じられ読後感の良い良い本だった。お薦め本。

2017/10/29

ねこまんま

日本がエイズ問題で大騒ぎしてたのって、何年くらい前でしたっけ?最近、とんと聞かなくなって忘れかけていたけれど、アフリカでは未だに増え続けているとか。貧困と医療、教育など、多くの社会問題を提議した大作だとは思うんですが、小説としてはイマイチかな。説明がくどいし、作田夫婦が、あまりにも理想に燃え、困難に立ち向かう強さを持ったパーフェクトな人たちなので共感できず、それどころか子供が誘拐されたあたりのパメラの対応はちょっと引いた。小説を読んだ、というよりお勉強した、という感じ。

2016/07/28

hrmt

『アフリカの蹄』の姉妹編。引き続きアフリカの終わらない苦難を見るようで苦しくなる。天然痘による黒人抹殺陰謀の10年後、エイズの蔓延する彼の国で、感染者の弱みに付け込んでまるで人体実験のように行われる新薬の治験。政治が黒人達の手に渡っても体面を取り繕って富裕層が手離さない利権。アパルトヘイトが撤廃されても搾取され続ける黒人貧困層の虐げられた現状に危険を顧みず立ち向かうパメラや作田。自分達で歩み出そうとする人達の勇気と、良心に従って行動する人間の善性に救われた。実際にあり得そうな内容である事が恐ろしかった。

2016/11/30

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