清談 佛々堂先生 (講談社文庫)
清談 佛々堂先生 (講談社文庫) / 感想・レビュー
Tetchy
話中に挟まれる名品の数々に目が奪われる。素晴らしいものは使われてこそ活きることを知っている物事の本質を見極めた粋人佛々堂先生の精神に心打たれる。昔なら常識とされたことが途切れてしまった世代間の伝達のために忘れ去られようとしている日本人が古来、その知恵によって生み出した機能美を後世に伝えるためにこの作品を著したと私は思う。本書はまさに掘り出し物の逸品だ。作者が扱う主題から物語、プロットを丹精込めて練り込んだ一級の工芸品のような物語の数々である。正直に告白しよう。私は本書が服部作品の中で一番好きな作品だ。
2014/08/07
ともとも
ブツブツと文句ばかりの佛々堂先生。 美術品や美食など美しいものには目が無い。 個性あふれるキャラクターが、トリビアを織り交ぜながらも、 その美に纏わる謎の物語を紡いでいく。 文章からでも、美というものや、なるほどなぁ~という感じをしながらも ハラハラさせられつつも、美があって人がいて、物語や謎、そして感動が ある、そんな美には不思議な力が秘められているのだなぁ~と、 しみじみ思わされてしまいました。 とても、痛快で、個性的で、美しい、そんな楽しめる1冊で良かったです。
2016/09/29
gonta19
2007/9/17 Amazonにて購入 2010/12/24〜12/25 平成の魯山人と言われ、美術、和文化などに造詣の深い佛々堂先生の活躍を描く短編集。「八百比丘尼」、「雛辻占」、「遠あかり」、「寝釈迦」の4篇。それぞれの主人公にふってわいた難題を、さりげなく助けながら自分もちゃっかり良い目にあう。人柄の良さが滲みでている。コウイウヒトニワタシハナリタイ。 今調べたら続編も出ているようなので、再会できるのを楽しみにしていよう。
2010/12/25
多喜夢
美術ファンとして、まさにこういう本に出会いたかった。久しぶりにワクワクしながら読了。佛佛堂先生の深謀遠慮。解き明かされる謎に胸が躍る。この作者のイメージと全く異なる味わい深い作品だった。
2017/02/09
しんこい
芸術家や職人、どれも気難しいところがある世界、先生も面倒な人かとおもったら全く逆で、こだわりだけでなく才を見抜き花咲かせる手腕見事。最初の八百比丘尼のツバキだの花だの、隠れた才能と、料亭主人の残酷な出会いが好み。
2018/11/11
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