文庫版 百器徒然袋 風 (講談社文庫 き 39-12)
文庫版 百器徒然袋 風 (講談社文庫 き 39-12) / 感想・レビュー
ちょろこ
榎木津ワールド、の一冊。今作も榎木津ワールド一色の世界。ますます榎木津探偵の魅力にハマってしまった。今回は巧妙に仕掛けられた罠にどう立ち向かうのか、これまた榎木津探偵はもちろん下僕ズを含めて随所に笑いあり、スカッと爽快ありで満足。多々良センセイとの迷惑のかけ方の違いを分析している中禅寺に妙に納得し、下僕の本島くんの、毎回果てしないマイナス思考と共に榎木津ワールドの渦に巻き込まれていくのも面白い。益田さんたちの下僕ズ トークが前回よりもツボだったな。薔薇十字探偵メンバーあっての京極堂、面白い。
2019/10/27
優希
百鬼夜行シリーズのサイドストーリー第2弾。相変わらず痛快な探偵小説ですね。榎さんと愉快な下僕たちのドタバタに秋彦さんの悪ノリが楽しい。猫に鏡に呪いの面といったガジェットの事件に巻き込まれる「僕」こと本島が気の毒でもありますが。榎さんを陥れようとする罠があちこちに見えるのに、あまりの破天荒な振る舞いには敵なし。そして変人だの阿呆だの言われながらも下僕になるのは榎さんが愛すべきキャラだからだと改めて感じます。最後に本島の名前が出たことでこのシリーズは終わりかなとも思うのですが、どうなのでしょうか。
2017/04/08
bookkeeper
★★★★☆ 再読。調査も推理もしない榎木津探偵の事件簿。敵がいかに奸計を巡らせて状況の打開が難しそうに思えても、それは私たち有象無象のせせこましい思考故に行き詰まっているだけのこと。わははははっと高らかに笑いながら彼が登場するや、事件の謎などはただ粉砕・殲滅するのみなのだ。薔薇十字団の一味が、何の打ち合わせも無くヘンな芝居を始めると「来た来たー」とテンションが上がります。こっそり肩を震わせて笑ったりする京極堂とか、本編ではまず見られないお茶目さ。「解らなくても解決だけはするみたいだから。解んないけど」
2022/03/04
よむよむ
<再読>自分を神と呼び、調査も捜査も推理もしない破天荒な探偵、榎木津礼二郎の雨に続いての中編集。ひどい言いようだが、良く言えば子供のように思いついたことをそのまま行動に移し、意外と優しいところもあるように思う。直接関わりがなければこんな面白い人はいないが、関われば下僕とされいつの間にか事件に巻き込まれるはた迷惑な人である。その榎木津を陥れようとした人がいたから大変だ。収録された三篇ではもちろん犯人はこてんぱんに伸される。榎木津に喧嘩を売るなんて怖いもの知らず過ぎるだろう。おかげで思いっきり笑わせてもらった
2019/10/14
勇波
益田探偵助手の軽薄さと卑怯であろうとする振る舞いが大好きだ。最後の最後で神である探偵の人間くささに感動です★
2014/06/05
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