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灰色の北壁 (講談社文庫 し 42-14)

灰色の北壁 (講談社文庫 し 42-14)

灰色の北壁 (講談社文庫 し 42-14)

作家
真保裕一
出版社
講談社
発売日
2008-01-16
ISBN
9784062759557
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灰色の北壁 (講談社文庫 し 42-14) / 感想・レビュー

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ナルピーチ

三作から構成された中編集。一話100項前後で全て山岳を舞台としたミステリーである。お勧めは表題にもなっている「灰色の北壁」ある日本人登山家がホワイトタワーと呼ばれた山に単独で登頂に成功した。その証拠写真に疑念を抱いた小説家が調査に乗り出し真実に迫っていく。結末もそうくるか!っていう展開で読み応えあり。他2作もそれぞれ味が出ている仕上がりとなってました!

2020/08/12

じいじ

『ホワイトアウト』で虜になった真保裕一。本作は優れたノンフィクションや山岳など自然界を題材にした作品に贈られる「新田次郎文学賞」の受賞作。山岳小説3作の中編、どれもハイレベルの傑作だ。面白い。北アルプス剣岳を舞台にした【黒部の羆】主人公・ヒグマこと樋沼の山岳警備隊一筋の生きざまに魅了させられた。ヒマラヤ山脈の7,981mの北壁に挑む【灰色の北壁】の迫力に圧倒された。一人の女を一途に愛した二人の山男の対峙に隠された謎に引き込まれる。つぎの真保作品、何を読むか?迷うが、楽しみだ。

2017/01/26

モルク

山岳小説3編。冬山の氷壁で滑落しロープで宙吊りとなっている遭難者を元救助隊で今は山小屋の主人が救助に向かう。彼も以前似た経験をしその心の傷が今も…の「黒部の羆」がとてもよかった。選ばれた友への嫉妬、なんとか貶めようとする策略そこに臨場感溢れる冬山のシーンが重なる。「灰色の北壁」は世界のクライマーの夢を叶えた天才が死んだ。彼の登頂の疑惑と最後に明かされる謎解きが絶妙。3作とも山に挑む者の情熱、山のそして自然の厳しさがビンビンきた。根性なしの私にはとても無理。

2023/09/07

サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

何れも雪山を舞台とした中編の山岳小説。夏山の縦走ばかりで雪山の経験が全く無いのにこんな事を言うのもおこがましいのですが、どれもリアルで良かったです。特に表題の「灰色の北壁」が素晴らしかった。ヒマラヤの未踏の北壁制覇を巡る疑惑とそこに隠された真実。山岳ミステリとして読んでもも一級品だと思いました。★★★★

2013/11/04

ジュール リブレ

山岳小説オススメをお聞きした中で出てきた一冊。読友さん、ご紹介ありがとうございました。中編3つ、読み応えバッチリ。『ホワイトアウト』で鮮烈なデビューされた真保裕一さんの面目躍如、スリル満点な一冊でした。表題作の『灰色の北壁』に隠されたトリックやレトリックは本格的だし、冒頭の『黒部の羆』も巻末の『雪の慰霊碑』も、一ひねりが効いたストーリー。山岳小説ならではの手に汗握る展開とあわせて一気読みでした。それぞれのラスト、ハッピーかどうかの意見は分かれると思うけど、人生を変えようと言う意思を感じる作品です。

2021/07/15

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