上陸 (講談社文庫 こ 69-2)
上陸 (講談社文庫 こ 69-2) / 感想・レビュー
扉のこちら側
初読。2014年1105冊め。1999年12月のY2K問題がうまく使われている。五條瑛作品らしいわけありの人達の群像劇が良かった。陰謀が足りないけど、その分ヒューマニズムで読ませてくれる。装丁もよい。
2014/12/01
Rin
お金がない、それが三人の共通点。国籍や年齢、育った環境も異なる三人だけれども確かに家族というか兄弟だった。特に大きな革命や事件というのはないけれど、短編形式でそれぞれの生きる想いや性格が分かって飽きずに読める。三人とも良い人と一言では言い切れない。犯罪もしているし、癖もあるけれどどこか優しい。そんな魅力がある。底辺の生活だけれど、悪くはない。楽しそうな三人が好きになっていく本。密入国してまで「黄金の国」にきて家族の為に稼ぐアキム。彼の「日本には兄弟がいる」という言葉には読んでる私まで嬉しくなりました。
2015/07/15
りちゃ
元サラリーマンの金満、前科者の安二、パキスタンからの不法滞在者アキム。三人の共通点は「金がない」。他人の金には手を付けないというルールのもと、共同生活は順調。密入国の手引きという秘密を抱えて。いつかは、バラバラになるであろう三人。友情、仲間とも違う、まるで家族…兄弟のような関係へ。文庫特別書き下ろし「東京の雪」で、じんわり。
2017/05/20
ゆずこまめ
書き下ろしがあって本当によかった!ほっとしたし嬉しいです。それぞれ事情を抱えていても、仲間兼家族と出会えただけでそう悪い人生じゃないって思いながら3人が生きていけるといいな。離れても、ずっと一緒。
2012/12/27
藤邑
これといって派手なエピソードはなく、淡々した語り口調なのだが、それでも印象に残る話。ラストの書き下ろしには思わず涙してしまった。
2009/11/18
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