新・三銃士―ダルタニャンとミラディ (少年編) (講談社文庫 (ふ48-5)) (講談社文庫 ふ 48-5)
新・三銃士―ダルタニャンとミラディ (少年編) (講談社文庫 (ふ48-5)) (講談社文庫 ふ 48-5) / 感想・レビュー
イトノコ
デュマの名作「三銃士」を女スパイミラディを中心に再構成。原作ではただの恋愛劇であった王妃の首飾り事件。それを王妃を籠絡して仏国内を分断せんとする英バッキンガム公爵、阻止せんとするリシュリュー(とミラディ)、色恋沙汰しか頭にない王妃(と巻き込まれるダルタニャンら)の三つ巴として緊迫感溢れる陰謀劇にしているのは藤本さんの本領発揮。後半のダルタニャンサイドは割と原作準拠、お間抜け2割増。自分も二股かけておいてミラディに裏切られたと騒ぐダルタニャンの貞操観念がよくわからんけど、脳筋の若者なんて今も昔もこんなもの?
2020/01/04
ten
読メを始めてからは初めての再読。いわゆる「女の子むけ」の赤毛のアンよりも、若草物語よりも、外国文学の中では「三銃士」が一番好き。タイトルは「三銃士」だけど、サブテーマのとおり、あくまでも主役はダルタニャンとミラディだ。藤本さんの作風そのままに、ちょっとエッチでくすっと笑える部分が随所にある。講談社痛快世界の冒険文学でも藤本さんは三銃士を担当されている。普段はカッコつけてるくせに、女性にはメロメロになるそんな男性を描きたかったんだろうなぁ。
2016/07/25
鐵太郎
お話は、原作の三銃士をなぞって進みます。最初はこれをミラディの視点で見るのですが、これは無理がある。そこで途中からロシュフォールがうわさ話を手紙に書いて来るという手立てで進めますが、これもやっぱり無理。しかたなくいつの間にか誰の視点だかわからない客観視点になります。ミラディによった視点の三銃士だけどね。藤本さん、こりゃあちょっと変じゃない? ま、細かいことはいいや。もともとデュマの世界も面白さを追求するあまり、いいかげんなところはあったから。こんな三銃士も面白いね、という一作でした。
2010/04/05
noémi
三銃士を主にミラディ視点からみた話。同じ話だが、ごっつ詳しい解説付きってカンジで「三銃士」を二倍楽しめる。さらに従者プランシェとダルタニャンのボケとツッコミのような会話もナイス!例の「王妃の首飾り(実は房飾り)」事件も藤本ひとみ、一流の解釈でさらに面白さが増す。オリジナルはただただ冷酷非常なミレディだが、ミレディだって人の子ですもの、泣いちゃうコトだってあるのよ~~~。
2011/11/27
ワッピー
女性視点から見た三銃士世界。ミレディをはじめ、シュヴルーズ夫人、コンスタンス、ケティの頭のキレとたくましさは際立つけど、男性側はどうも単純でおバカに見えてしまう。昨年公開の3D映画「王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」はこのダルタニャンのテイストに結構近いかも。
2012/01/22
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