『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫 き 53-3)
『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫 き 53-3) / 感想・レビュー
夢追人009
北山猛邦さんの4冊目で城シリーズの3冊目ですね。うーん、これは絶賛されている方も多いので期待を持って読んだのですが、私は正直に言ってそれ程に感心はしませんでしたね。東北の小島に建つ「アリス・ミラー城」に存在するというアリス・ミラーを捜すべく集まった名探偵達が次々に殺され、犯人の用意したチェス盤の駒がその都度一つずつ姿を消して行く。本書は本格ミステリーファンにとっては堪らない魅力的な設定で、クリスティー女史の永遠の名作「そして誰もいなくなった」に挑戦した意図は明白で、さらに密室殺人の趣向も加えられています。
2023/01/06
ナルピーチ
『鏡の国のアリス』をモチーフにして建てられた洋館【アリス・ミラー城】で起こる殺人事件。これは久々のラスト一行での大どんでん返しな一冊だった。集められた探偵達による推理合戦にはロジックが凝縮されていて、一人一人殺害されていくその緊迫感は手に汗握る。叙述トリックとしての評価には賛否両論あるみたいだか個人的には👍な作品。作中に出てくる探偵達も個性的な奴ばかり。それぞれを主役においた短編集とか読んでみたいな。何れにしろ作者の術中にまんまとハメられはしたが、とても楽しく読ませてもらいました!
2021/06/21
青乃108号
これは凄いものを読んだ。最初から最後まで読む者を引き付けて離さない物語の構成の絶妙さは、あまたあるミステリーの中で郡を抜いて素晴らしい。最近嫌いになった●●トリックもこの作品なら許せる。嫌いな物も不問にするだけの魅力とまさに「アリス」の名にふさわしい、センスオブワンダーに溢れた本。これは再読に値する。
2023/03/31
麦ちゃんの下僕
読友さん達のレビューでも賛否・好き嫌いが分かれている作品ですが…僕には“どストライク”でしたね!あの『そして誰もいなくなった』に“物理トリック”をこれでもかと詰め込んで、おまけにホラー要素や社会問題やラブロマンスといったデコレーションまで施された“豪華版”といった感じでしょうか(笑) ですので『そして~』のシンプルさが好きな方は“胸焼け”してしまうかもしれませんね(苦笑) アンフェアという指摘もありますが、読み返せば数ヶ所でちゃんと描写されていますよ。“彼女”の最期のシーンは(ベタでしたが)泣きました…。
2022/09/24
W-G
かなり昔、刊行当時にクロック城を読んでからぶっちゃけ存在を忘れて(笑)しまっていた北山さん。元気に執筆を続けられている事を昨年のこのミスで知り、それから気になってはいました。この作品はかなり好きでした。これ系のトリックの書き方はあまり上手ではないかもしれませんが、サービス精神旺盛な一作です
2016/03/05
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