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あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫 い 72-8)

あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫 い 72-8)

あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫 い 72-8)

作家
井上夢人
出版社
講談社
発売日
2008-10-15
ISBN
9784062761659
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あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫 い 72-8) / 感想・レビュー

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みも

井上夢人さんの短編は、いつも僕に小説の愉悦を思い出させてくれる。快感に酔わせ恐怖に陥れる20~50頁の絶品10篇。初出は90~95年。全作品に出版社の企画意図や、依頼を受けた際の心境を前振りとして置く。ここから汲み取れるのは、著者は良い意味で真に超一流の職業作家であるという事。どんなに無茶な依頼内容であろうと、確実に読者を愉しませる手腕がある。アイテムの陳腐化にもめげず最先端技術にも果敢に挑み、斬新なアイディアを活かした鮮やかな変転と心理描写の妙は匠の技。トータルでの一貫性はないので、隙間時間利用もOK.

2021/03/08

しんたろー

90年代前半に様々な雑誌やアンソロジー用に執筆された短編が10作収録されたミステリというよりもホラー色の強い作品集。読友さんが「『世にも奇妙な物語』様な世界観です」と仰っていましたが、正にそんな感じ!20年以上前の発表なので古いネタもあるが、その発想や捻りは流石なものが多く、初期の『奇妙~』に関わった者としては「原作にしたかった」と思える秀作もある。『私は死なない』の残酷さや『あなたをはなさない』の執念深さはゾッとしたし、ペーパーバック・ミステリを意識した『サンセット通りの天使』にはニヤリとした( ̄▽ ̄)

2020/08/28

ナルピーチ

著者が90年代初頭の頃に書いた選りすぐりの短編作品。10篇からなる短編集はどれも“奇妙な味”のある物語ばかり。日常に溶け込むちょっとした場面を切り取り、ホラーやサスペンスに仕立てて読ませてくれた。お気に入りは「あなたをはなさない」と「千載一遇」の2作品。まぁどっちも女性を敵に回した時の恐怖が強調された作品。思わず背筋がゾッとしちゃいます…。変り種は「ジェイとアイとJI」今で言うIT系のミステリーだが、年代を感じるテイストで面白い。巻末の大沢在昌氏との対談、こちらも読み応えが多いにあり、楽しめる内容でした。

2022/07/05

🐾Yoko Omoto🐾

井上夢人作品初読み。「世にも奇妙な~」的なアプローチの作品はたくさんあるが非常にレベルの高い短編集。一体何が起こっているのかと読み手の想像力を刺激する物語のイントロデュースが巧い。読後にゾッとするホラーテイストの作品が多いが、中でも「あなたをはなさない」「千載一遇」「私は死なない」はとても好みで、そのあとの事を思うとゾッと処ではないほどの恐ろしさがある。ミステリとして秀逸なのは「書かれなかった手紙」で、手紙のやり取りのみの構成に隠された真相が面白い。各話に著者コメントがあり作品の背景を感じながら楽しめる。

2014/06/23

青葉麒麟

星新一と阿刀田高をミックスしたような内容だった。所々、時代を感じさせる記述があったけど、楽しく読めた。死んだのに腐って行く痛みを感じる「私は死なない」が断トツに好き。

2013/05/19

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