レモン・ドロップス (講談社文庫 い 118-1)
レモン・ドロップス (講談社文庫 い 118-1) / 感想・レビュー
るぴん
「べたべたしたやさしさを排除する。それが、あたしの矜持」と決意した15才の美希の物語。石井さんは、10代の女の子の心の揺らぎを描くのが本当に巧いと思う。学校、家族、友達。何気ない日常の中でも、思春期の少女にとっては毎日が特別なもの。でもそれは、大人になった今だからこそ大切だったと思えるんだな、と気付かされる本だった。あとがきの言葉「おとなもなかなかいいものです。けれど、…こころはおとなになりません。正確にいえば、思ったほどにはおとなになりません」には思わず頷いた。
2018/05/03
はな
図書館本。中学生の主人公の日常を切り取った内容。10代の頃って友達とこんな感じで過ごしていたよねぇと思いながら読みました。思春期ならではの楽しいことにも、つらいことにも心が大きく跳ね動く感じがうまく描写されているなと感じました。作中に出る本に影響されるのもこの時期だからかなって思ってみたり。好きな小説です。
2015/07/22
ひめか*
再読。これを読んだ当時は登場人物と同い年くらい、中学生だったと思う。少し大人になった今読むと、これが中学生の見てる世界なんだよなぁとしみじみするとともに、やっぱりまだまだ子供だよねと大人目線になる気持ちも。何か特別なことが起こるわけでもない、ありふれた日常が中学生の目線で描かれていく。真希は姉だからといって何でも美希にやらせるのはひどいなと思ったけど、認知症になったおばあちゃんへの対応はやはりお姉さんだなぁと思った。おばあちゃんとお話して一緒に過ごす時間が好き。レモンドロップをなめたくなった。
2016/11/29
coco夏ko10角
前半は10代のちょっとしたキラキラやイライラがたくさん。やはり石井さんはこういうのが上手い。だけに後半の展開にちょっとびっくりしたし、あと10ページくらいあると思ってたら物語が終了してしまったので、その後を色々と考えてしまった。
2015/02/16
リコリス
ブックオフでふと目にとまったので手に取ると「となりのみよちゃん」という懐かしい名前が。主人公の美希は中学生だけど、高校時代の自分にスーッと戻ってしまったので購入しました。なにげない日常の中に思春期の甘酸っぱいようなキラキラした感じ、切ない感じが描かれてていて少しタイムスリップしたような気持ちでした。「いつだって、すぐそばにある、日々のきらめき。」「半径3メートル以内に大切なものはぜんぶある。」解説もとてもよかったです。家族と過ごした日々を愛おしく思い出しました。三日月形のレモンドロップ食べたいな。
2015/06/23
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