陪審法廷 (講談社文庫 に 29-5)
陪審法廷 (講談社文庫 に 29-5) / 感想・レビュー
小説を最初に書いた人にありがとう
日本とアメリカの犯罪と罰ついて深く考えさせられた作品。フロリダのセレブコミュニティで日本人で中学生の研一が隣家で幼馴染みで想いも寄せている同級生のパメラが養父から性的虐待を受けている事を聞き、義憤と怒りで養父を銃で殺害。この裁判で陪審員に評決を委ねられる。一級殺人罪なら無期懲役、量刑の重さに悩む陪審員たち。その評決の行方は?! 私ならこの背景なら完全無罪!! むしろ表彰!!
2014/12/06
かんらんしゃ🎡
★映画『十二人の怒れる男』や三谷の『12人の優しい日本人』。法廷物の中でも陪審員裁判は面白い。それぞれ事件の見方が異なり、そこにその人となりも見えたりするからだ。★いずれ私も裁判員になる可能性もあるしシミュレーションのつもりで読んでみたが、検察側・弁護側の主張に揺れてしまい自分の軸がぶれる。架空の話でこうである。実際、裁判員になれば裁くことの難しさに苦悩するだろう。安易に面白いと言った浅はかさが恥ずかしい。
2018/05/10
まつうら
この著者には珍しく法廷を扱った作品。しかもそのテーマは、少年犯罪、心神喪失と刑事責任、性的虐待、陪審員制度の是非と盛りだくさん。著者の視線は事件の内容よりも、それらを取り巻く外側の社会を抉っていくが、自分の関心は事件そのものに向かってしまう。もし恋人や娘が性的虐待を受けたら自分はどうするか? 私的復讐はどこの国の法律も禁じているが、復讐に走ろうとする父親の行動は法で抑止できるのか?? 愛する者を守ろうとする感情を裁くのは人の道なのか??? 日本の裁判員制度が、法の限界を補うものであることを祈る。。。
2024/01/26
ミスターテリ―(飛雲)
法律のプロである裁判官がいるのに、なぜ陪審員制度が存在するのか、考えさせられる作品であった。14才の少年が隣人の医師を殺害、現場で逮捕される。その事実は間違いなく一級殺人で起訴される。しかしその背景には、同情の余地があり弁護側は無罪を主張。検事、弁護人の最終弁論が述べられ、1人の少年の運命は12名の陪審員たちに委ねられる。自分の意見を考えながら読んでいたが、果たして客観的な判断ができるのか、有罪か無罪か陪審員たちはそれぞれの立場からの意見をぶつけ合っていくが・・最後の結論まで読むのが恐ろしかった。
2024/04/05
James Hayashi
この陪審制というものは読んでいて思うのだが、非常に感情で左右される評決だと思う。少しでも疑義があるなら無罪。99%の確信では無罪で100%のみを要求されているプレッシャー。犯行当時違法薬を取っていたことがわかっても、その件は訴追されていない。情状酌量や量刑を考えず、有罪か無罪か。これも知らなかったが、米国の刑事裁判で無罪が言い渡されると検察は上告できないという(民事は別)。日本は裁判員制で無罪の場合、多くが検察に控訴され判定が覆されると聞くが。これでは裁判員制とは時間と労力の無駄である。また裁判員が→
2020/04/20
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