妖人白山伯 (講談社文庫 か 100-3)
妖人白山伯 (講談社文庫 か 100-3) / 感想・レビュー
ネムル
鹿島茂の小説という珍品にして、傑作。幕末から明治にかけての日本とフランスという魅力的な舞台で、実在の山師モンブランが原敬、高橋是清、井上薫、ロートレアモン伯爵云々云々と多くの歴史上の人物をひっかきまわす波乱万丈の陰謀小説。「故山田風太郎氏に捧ぐ」だけのことはあって、次から次へとエピソードが発展し、またミステリのどんでん返しのようなものも仕掛け、その筆致はいやに手練れている。そして、パリの新たな娼館や幕末で洋妾の遊郭(らしゃめん)を作るあたりの凝り様はさすがに鹿島茂と言いたくなる
2013/09/17
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