転落 (講談社文庫 な 78-1)
転落 (講談社文庫 な 78-1) / 感想・レビュー
いつでも母さん
【再読】読友さんのレビューで思い出した。かつてはこの手の話は避けていたのに今は貪るように(汗)転落・・策を弄して墓穴を掘る知実の事だ。殺された小学生・美希子に罪はないか?そして償いの時が来た律子は許されるか?どこかに黒い自分の影はないだろうか?さすがに行動に移すことは無いが、気持ちだ。何か一つ歯車が違っていたらと思うと、この三人が痛い。社宅の人間関係や親族、職場の人間も怖い。『他人の不幸は蜜の味』か・・上手い巧い転落人生を描いていた。
2017/02/28
優愛
人殺し、そう誰かが呟いた。「事故よ」「逃げたくせに」非難されるのが怖くて隠した。罪を。けれど隠したはずの罪がまた別の罪を呼び、とうとう隠しきれなくなった。償いの時が来たのだ。裁きを、受けるために。今が楽しい、今が幸せ。果たしてそれは本当ですか。喜びなんて一瞬で失われる、単なる気休めに過ぎないとは思いませんか──。対価のない優しさなんてあまりに脆く、大きすぎる代償には息が詰まって。自業自得と、言えなかった。許したい。一歩踏み外せば終わり、そんな事も分からない貴方達の幼さに免じて。でも誰も、救われなかった。
2017/11/17
Satomi
この不快さは作者による仕掛けである事は理解できるが…これは酷い...不快以外の何ものでもでもない…>_<…第1章のホームレスへと転落していった「ボク」と少女の奇妙な共犯関係は面白く期待できたのだが…章が進むにしたがってただただ不快感が増す。そしてラストのぶん投げ具合といったら…凡人の私には到底理解できるものではありません。ワケが分かりません…ごめんなさい、ムリで~す…笑(`へ´♯)
2016/03/16
YM
読友さんに善人マニアに続いて紹介してもらった本書。善人マニア同様、罪に罪を上塗りして転落していくけれど扱ってるテーマは違って、こっちは全然笑えない。主に加害者、被害者、関係ある第三者、関係ない第三者がでてくる。加害者が悪いのはもちろんだけど、第三者の言動行動がどれほど影響を与えているか。本書は終盤まで、理由や関係性を明かしてくれない。僕は理由をすごく知りたくなる。結局、野次馬的な関係ない第三者と自分もあんまり変わらないのかなと気づかされる。そして真実は複雑で、もっと深いところにあったりする。。
2014/11/12
mmts(マミタス)
ドロドロした心理戦にビクビクしました。誰が味方なのか敵なのか、だんだん分からなくなりました。純粋なる親切心なのか、もしくは用意周到に相手を欺いたのか。もしくは次第に相手を欺くことに快感を覚えたのか。私は女性ですけど、やっぱり女性同士だと人間関係は滅多に成立しないように思いました。他人の不幸を話題にしないと盛り上がらないし、やっぱり粗探しに必死になったりするし。洗脳したり、または洗脳された素振りを見せたり。一番怖いのは案の定、人間でしかない。人間不信になりそうだし、深入りしたくないような。
2015/04/15
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