記憶の中の幸田一族: 青木玉対談集 (講談社文庫 あ 74-7)
記憶の中の幸田一族: 青木玉対談集 (講談社文庫 あ 74-7) / 感想・レビュー
pirokichi
露伴の孫で文の一人娘・青木玉(1929年生)の対談・鼎談集。高井有一&小島千加子、小田島雄志&村松友視、小森陽一等と、露伴のこと、文のこと、幸田一族のこと、玉自身の著作『小石川の家』、『帰りたかった家』のことなどを語る。これまで文・玉母娘の作品を何冊か読んだが、本書を読んでいろいろ頭の中で繋がったというか、整理された感がある。また対談なので生きた言葉で伝わってくるのがうれしい。幸田文は怖いとか構えているとか言われるが決してそんなことはない、と何度も仰る娘の、母を庇い慕う気持ちが、胸にくる。
2024/09/18
マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。『あとみよそわか』(幸田文)の読書会の参考本。著者は幸田文さんの長女1929年生まれ。幸田文さんは幸田露伴の次女だが、他の姉弟は夭逝し実質子一人。露伴が掃除などの家事全般を教え込んでいる。著者は母はもちろん、祖父からのスパルタ式の家事教育を受ける。文豪への来客も多く、お茶出し、お酒のお酌など一般家庭にはない作法も多い。本書は対談形式で文さんと深い関わりのある人が主で、幸田露伴、文の父娘の人となりがよく伺える。口絵の祖父との三代の写真は全員にこやかだが、その裏で苦労が多かったようだ
2023/11/19
てくてく
幸田文の全集出版のために奔走していた頃の青木玉氏の対談集。孫から見た幸田露伴、母である幸田文が、対談から浮かび上がっている様が面白かった。幸田文が露伴の記憶を語ることから一人の作家として生まれ変わった様に、青木玉氏も露伴や文の記憶を語ることから、また、一人の随筆家として生まれ変わった過程が面白い。
2016/01/09
KEI
江戸時代から代々お坊主衆として様々な知識に通暁している幸田家。そこから輩出されたのは露伴だけでは無く、音楽家、実業家もいた。 露伴、文、玉へもそのバトンはしっかり受け継がれているように感じた。 露伴のもとに玉を伴って出戻った文の苦労談。孫として露伴に鍛えられていった玉の思い出が各方面の識者との対談で浮かび上がって興味深い。 また当時の写真も小さくではあるが掲載されて参考になった。 文さんという素晴らしい母を誇りに思う様子がよく伝わってきた。 明治から昭和の生活感も郷愁を感じた。
2013/09/29
コホン
玉さんの母を思う気持ちが伝わってくる。文さんの父への思い、露伴の娘・孫への思いをそれぞれがちゃんと理解しているから、温かいものとして読む側に伝わってくるのだろう。
2012/06/17
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