独断流「読書」必勝法 (講談社文庫 し 31-40)
独断流「読書」必勝法 (講談社文庫 し 31-40) / 感想・レビュー
ばりぼー
評価の定まった名作を、こんな読み方も可能だと独自の解釈で分析したブックガイド。「よしのり」つながりで、やや控えめな清水流ゴー宣文学編と言えます(笑)。毒の部分はサイバラ画伯が担当してますし(笑)。『ロビンソン・クルーソー』は、能天気な差別主義者が無人島で一人ビジネスに成功する話であり、『ガリバー旅行記』は、そんな侵略者小説を木っ端微塵に粉砕するために書かれたものだとか、『暗夜行路』はハイソの生きる苦労のない人間が、「自分には価値がある」という信念を表明した小説だとか、古典の新たな魅力を紹介してくれます。
2015/10/21
キク
清水義範と西原理恵子による文学ガイド。西原は作品なんて読まずに大暴れしてるんだろうと思ったら、三島以外はチャンと読んでて逆にビックリ。清水の書評は知識や考察が当然深いけど、心に残るのはイチャモンに近いサイバラの方だった。ググればいくらでもあらすじや評判がわかる世の中で、大事なのは「信頼してる人の読後感想」なんだなと思った。あと、三島がどうしても読めない西原が、吉本ばななに「お父さん(吉本隆明)の本を読めるようになったのはいつ?」と聞いたら「今でも読めない」と言われたエピソードは、なんかとても励まされる。
2021/02/26
緋莢
『伊豆の踊子』、『細雪』、『罪と罰』等、内外の名作20作品の紹介と特別講座「読書の秋におすすめしたい十編」、「泣ける話に四苦八苦」、「王道ミステリーの楽しみ」が収録されています。内容紹介だけでなく、作者やその作品が書かれた背景についても触れられており、『坊ちゃん』の赤シャツ、誰が原型であの人物が生み出されたか それは漱石自身だというのにへぇーとなりました(著者は丸谷才一に教わり、驚いたとのこと)『ガリヴァー旅行記』が『ロビンソン・クルーソー』に腹が立ち、挑戦状のように 書かれたというのにも驚きました(続く
2018/12/09
Kaz
題名もしくは作家名を知っているだけで、ほとんど読んだことのない作品群。読書は好きだと言いながら、名作にはほぼ手を出していない。底の浅い読書家には、少々きつい内容でした。ただし、読書にふけるときの心構えみたいなものは、自分なりに感じたつもりではありますが。
2015/11/30
ミナコ@灯れ松明の火
いつまでたっても読めないままでいるロシア文学のくだりに、ああ私だけではなかった、と胸をなでおろした。全然遭難してないロンビンソンクルーソーも、衣良とか仁成とかもうそれだけで嫌とか、サイバラさんの言葉が印象的すぎて清水さんの渾身の書評の印象がかき消されてしまうほど。普通はこの手の本を読んだら「うわー読みたい!」と思うのに、笑って「ま、いいか」となってしまうのも魅力のひとつ!
2010/09/10
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