六月の桜: 伊集院大介のレクイエム (講談社文庫 く 2-47)
六月の桜: 伊集院大介のレクイエム (講談社文庫 く 2-47) / 感想・レビュー
いちみ
凄惨な話。 もちろん結末が悲劇、というのもある。 が、なにより悲惨なのは、物語の背景世界がものすごく現実離れした時代・場所に感じられる点なのかも。 栗本さんの描きたかった世界は、ある時点で時間の流れを止められてしまったかのようだ。 シリーズの進行に伴い作品中でも歳を重ね続ける伊集院さんは、至近の品ではどうも負けが込んでいる印象。 彼は、もしかしてその”停滞した時間”そのものに、勝てなくなってきてるのだろうか。
2009/06/24
kaizen@名古屋de朝活読書会
栗本薫の作品なので安心して読もうと思いました。 主人公の少女が幸福になって終わることを願っていました。 読み進むうちに、だんだん違和感が増してきました。 どうして栗本薫さんは、自分の世界に閉じこもっているのだろう。 もっと世の中に出て、大きな声で物をいった方がいいのではないかと感じました。 生前に栗本薫さんに一言だけ言っておけばよかったという悲しみのある一冊です。 自分の期待の甘さと、想像力の貧困に比べれば、 栗本薫の世界観の方が大きいのは分かります。 それでも何故、こんなに悲しい
2011/08/13
JINKO@灯れ松明の火
「禁断の恋」がメインのお話でした。栗本さんらしい退廃的な雰囲気満載!伊集院さんとアトムくんの出番が少ない。…残り少ないこのシリーズ。切ない…(泣)
2009/08/06
kagetrasama-aoi(葵・橘)
伊集院大介シリーズの第二十七作目。物語の芯に存在するのがいじめ問題なので、どんな展開になっても暗くなりますよね(涙)。いじめだけではなくて、桜子の母親の育児放棄も見え隠れしてますし。かたや大人になりきれなかった引き篭もり老人ですし……。でも、もう少し救いの有る結末が読みたかったです。それにしても、ニュース等で”いじめ”って言葉使っているけど、そろそろ変えた方が良いんではないかと聴く度に思います。内容は”いじめ”ではなくて、”暴行”であり”恐喝”ではないのかなぁ……と。
2017/06/09
シーラ
家庭にも学校にも居場所のなかった少女。富に恵まれたゆえに人に恵まれず世間も知らずに老いた男。孤独な魂が惹かれあい、狂気は増幅し、伝染する。それを映すのは桜。退廃、耽美。伊集院さんはなんだか脇役。
2014/03/27
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