牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖(二) (講談社文庫 や 55-3)
牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖(二) (講談社文庫 や 55-3) / 感想・レビュー
tengen
蔵秀、雅乃、辰次郎、宗佑達、今回の請負いは酒。蔵秀の父・雄之助が土佐から持ち帰った司牡丹。この隠れた銘酒を江戸で広める策を練る。お互いを認め合う蔵秀と紀文。柳沢吉保の支援も受け4人は土佐・大坂へ乗り込む。☆彡登場人物をいじめすぎる物語は読んでて辛いが、トントン拍子過ぎるのも如何なものか。出会う人々との新たな交流が明るい道を拓いていく感じは安心感があります。本シリーズでなければ、沖で何度も難破する、届いた酒が傷んでいた、太田屋のより執拗な妨害工作、他藩の横やり とか、もっとキツイ話に出来たかも。
2019/09/04
タイ子
シリーズ2作目。今回は長編もので、江戸の4人の若者たちが高知の美味しい酒を大阪、江戸で売り出すためにまずは高知まで旅をする。なので、ほとんど高知が舞台なので高知弁が飛び交います。高知で出会う職人気質の男たちに4人は尊敬と親しみを込めて接し、自分たちの知恵と技も地元民に畏敬の念で迎えらます。話がスムーズに進みすぎるきらいもあるのですが、これも4人組の人徳のなせる賜物でしょうか。しかし、悪いヤツも出てきてこれは終盤でギャフン!て言わせてみせますのでスッキリです。 私の中で柳沢吉保のイメージが変わりつつあります
2017/10/23
佐々陽太朗(K.Tsubota)
読後感の爽やかな小説です。これは登場人物の人柄によるものでしょう。それぞれが才気に満ち、人に温かく、矜持を胸に凛とした生き方をしています。その魅力に周りが引き込まれてゆき、大きな力となり企画が実現した時、人々の心に感動の波がひろがる。今回、四人衆が広目(広告)しようとした土佐の酒『司牡丹』は現存する酒です。どうやら作者・山本一力氏はけっして媚を売ることなく人の心を捉えていく主人公たちに、自分の出身地の酒『司牡丹』のもつ「剛直な辛口でいながら、ふっとひとの和みをいざなう旨さ」を重ね合わせたようです。
2010/09/08
ううち
第2弾。長編でした。みんなの仕事ぶりがとても素敵でかっこよかったです。力強い太陽が降り注ぐ土佐の描写に土佐弁も心地よい。紀文もだんだんと周りの人たちの頼りにされつつあって嬉しい。司牡丹が飲みたくなりました。酒盗もね。
2016/10/21
シュラフ
江戸の街を舞台におもろいことをやる四人組(蔵秀・雅乃・宗佑・辰次郎)。残念ながら今度の舞台は江戸の街ではない。蔵秀の父が土佐を旅したことがきっかけで、土佐の銘酒である司牡丹を江戸に売り込むことになったのだ。さっそく四人は遠く土佐まで旅することになる。旅と言えば出会いである。この小説では宗佑の父なし母子、敵役との出会いが物語にアクセントをつけている。だが、やはり主役は司牡丹。蔵秀・雅乃・宗佑・辰次郎の四人組を隅に追いやっている。今まで飲んだことはないのだが、辛口のうまい酒ということなのでぜひ一杯やりたい。
2014/08/07
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