闇の底 (講談社文庫 や 61-2)
闇の底 (講談社文庫 や 61-2) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
完・全・犯・罪。善悪は時に当事者の立場によって変わる!幼き子を無惨に凌辱し殺害する腐れ外道は完全に悪!その完全な悪を裁くべく無惨に成敗する連続殺人鬼は悪?善?犯人とおぼしき『男』、刑事の長瀬と村上。交わり無きこの3人の視点で展開する読み辛い一章、二章以降は俄然のめり込む!裏表紙の『「天使のナイフ」著者が描く、欲望の闇の果て』が表すように強烈に問い掛ける『闇』の『果て』 許しがたき悪に対し呆れるほど軽い司法の裁き。罪なき幼い犠牲者の為に犯人を裁く必要悪、ある意味賛辞を贈りたくなる我は果たして善や悪や‼️🙇
2020/04/20
zero1
性犯罪者を抹殺することの是非。サンソンは警察に挑戦状を送ってきた。理不尽な犯罪で妹を失った長瀬はトラウマを背負いつつ刑事として幼女殺害事件を追う。もしあなたが長瀬ならどうした?処刑者サンソンの正体は?作者の意図は読者をどう誘導した?テーマはいいが、【捜査の切り札】や長瀬に対する藤川の命令など複数の点で説得力に欠けた作品。どうしても「天使のナイフ」と比較してしまう。結末も無能な警察など賛否が割れそうでもったいない。中島の解説は的外れだと思う。ブラピ主演の映画「セブン」(95年)の影響を受けた?
2019/10/24
hit4papa
小児が性的暴行される度に、過去、同様の罪で逮捕されたものを惨殺する処刑人。捜査するは自身も被害者家族である若き刑事です。誰が処刑人なのかは、すぐ分かってしまうので、興味はどう決着つけるかになりますか。もう少しミスリードしてくれても良いのにと思ってしまいます。児童の性被害と、それに直面した刑事の正義のあり方という著者らしい難しいテーマの作品。ラストは、デシタルに後味悪い方にいきましたねぇ。綺麗ごとで終わっていないのは良いのですが、着地としてはどうでしょう。自分に置き換えると納得せざるを得ないわけなんですが。
2018/05/14
ハイク
児童への性犯罪をテーマにした作品。男は死体から頭部を切り取り公園のゴミ籠に置き去った。同時に警察やマスコミに対し犯行現場の映ったDVDと声明文を送った。サンソンと名乗る男は過去に児童を凌辱し殺した犯罪者を殺し、そして次々と性犯罪者を殺害していく。そうすれば性犯罪者が少なくなると考えた。警察は「サムソンが殺したのは私刑であり、法治国家に対する許せない行為」として男を追う。主人公の長瀬一樹は埼玉の警察官だ。彼の妹が小学生の時性犯罪で殺された。彼もこの男を追い求める。結末は理解は出来るが何かすっきりとしない。
2016/05/06
のり
幼女に対しての性犯罪は衝撃度が高いし、絶対許されない行為。心を殺され、命まで。正に二度も殺される。埼玉県警の「長瀬」も同様の事件で妹を失った過去をもつ。いつまでたっても事件。またしても幼い命が奪われる。時期を同じくし、過去に性犯罪を起こした者が次々と惨殺されていく。「サンソン」と名乗る処刑人。警察は迷走しながらの捜査が続く。驚愕のラスト。ため息しか出ない。子供達が安心して暮らせる日常を願う。
2019/06/20
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