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スロウハイツの神様(下) (講談社文庫 つ 28-8)

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫 つ 28-8)

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫 つ 28-8)

作家
辻村深月
出版社
講談社
発売日
2010-01-15
ISBN
9784062765572
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スロウハイツの神様(下) (講談社文庫 つ 28-8) / 感想・レビュー

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風眠

それぞれの登場人物が葛藤しながらぶつかり合い、そしてそれぞれの伏線が回収されていく上巻。昔の話や小さなエピソードまでもが伏線になっていて、ラストに向かって収束されていくさまは素晴らしい。前半はふたりの大きな才能によって苦悩する人物像が描かれているので、一見、成功者に見えるコウキと環の苦しみがいっそう際立って感じられる。才能あふれる人ほど自分らしく、心に忠実に生きることは難しいと思う。それでも、そういう風にしか生きられない不器用なふたりは、とても素敵だ。ミステリーでもない、ホラーでもない、これは恋の物語だ。

2012/12/04

パトラッシュ

(承前)スロウハイツの新住人入居と宛先不明の荷物到着を契機に、散りばめられていた布石と伏線が見事に回収されていく。「コーキの天使」と謎の作家鼓動チカラの正体、環の過去と壮太や正義、すみれの苦闘などが周囲の助けを得て解決に向かう。その過程で明らかになるコーキの行動は凄まじいまでのストーカーそのものだが、上巻の「愛はイコール執着」というセリフに照応している。それに支えられて毒母の呪縛に潰されることなく環は自立し、さらに自分を高めるべく渡米の途に就く。悪人が皆無の純粋な若者たちの群像劇は、鮮やかな愛を結ぶのだ。

2021/10/03

遥かなる想い

下巻の後半、思わず涙しながら読了。なにげない伏線がラストに繋がっていく筆力・構成力は お見事。やや途中、中だるみの感があったが、環とチヨダコーキの縁には脱帽。事件の直後に百二十八通もの手紙を送った少女とコーキ…「あの頃の切なさ」が見事に読者に伝わってくる物語になっている。

2010/12/30

nobby

心地よい読後感とはこのこと!小説の力、そして愛の力、自分の目で確認出来たことがコーキの復活に繋がってたんだね。それにしても、いろいろズルい(笑)いろんな正体にあたかもの伏線が示してあるから、見事に騙されてる…最終章は大好きな伏線回収の展開を満喫しながら、涙涙だった。これはまた読みたくなる作品。

2013/11/14

どんふぁん

2020年1月26日読了。わかった!辻村深月さんはスロースターターなんだな!?もう焦らしちゃって困っちゃうよ。こんなに素晴らしい結末が待ってるなんて、上巻読んだ時にはわからなかったよ。下巻も最初の方はうーんなんだけど、残り半分あたりからは怒涛の伏線回収と感動の嵐。コウちゃん大好きになったよ。特に図書館とテレビとクリスマスの話は涙なしには読めませんでした。ステキでした。なんでかな?と思ってたんよー。辻村深月さんにしてやられたー(笑)環とコウちゃんは他の話にも出てくるみたいなので、また読んでみたいと思います。

2020/01/26

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