作家の値段 (講談社文庫 て 8-20)
作家の値段 (講談社文庫 て 8-20) / 感想・レビュー
KAZOO
出久根さんの元古本屋さんという経歴を生かした、古本についての値段がどのような条件で付けられているかがよくわかります。ここには24人の文藝作家の初版本などを取り上げて、実際の値段やその本の状態がわかるような写真も取り上げられていて参考になります。昔は結構初版本を蒐集してている人を知っていましたが今はどうなのでしょうか?私も昔はある作家にこだわりを持ったものですが最近はそうでもなくなっています。
2016/01/16
s-kozy
あとがきで著者自らが記しているように「古本屋の作家論」。この作家の古本がいくらか、なぜその値段になるのかがわかり、興味深い。ただ、「小説現代」に2005年4月号〜2007年3月号の初出で2007年5月の発行。データとしては古いのかな。10年以上時を経て値上がりした作家の、値下がりした作家がいるのかもしれない。読むタイミングが遅かったかな。
2021/01/12
とろとろ
作家さんの原稿料が1枚幾らだった、という話かと思いきや大外れ。その作家さんの古本が幾らかという話。自分には思う通りの本が読めるかどうかが重要で、初版で幾ら、帯が付いて幾ら、というのは次元の違う世界の話だった。ただ、「幾ら」のエピソードが都合24人紹介されているので、何と無く古本屋さんの気分にはなるよね。何にしても、この世界も難しいものですね。
2016/01/20
kaoriction@感想は気まぐれに
物故作家の作品をエッセイ的に紹介、「古書」としての値段をひもとく。直木賞作家でありながら古書店店主でもある著者ならではの視点。福田和也『作家の値うち』もそうだが、作家や作品に値をつけることに私は抵抗を覚える。意義を見出せない。高い本だから何なのだ? 高い作家だから何なのだ? 価値は、読者一人一人、自身の問題だ。樋口一葉の値段は、読めば読むほど胸が痛くなった。「案外に安いんだねえ」なんて言ってほしくなかった。そんな値段でも、一葉にとっては大金であったはずなのだ。作家論入門として読むには読みやすく良いと思う。
2014/09/09
佐島楓
永井荷風は気骨のある作家だったんだなあと、ちょっと笑ってしまいながらも思いました。皮肉だなあ。岩波文庫で出ている分くらい読んでおかないと。あとは一葉の「通俗書簡文」や寺山修司が改めて気になりました。初版本にこだわりはないけれど、文学史として面白いエピソードが多かったので嬉しかったです。
2012/03/21
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