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敗走記 (講談社文庫 み 36-12)

敗走記 (講談社文庫 み 36-12)

敗走記 (講談社文庫 み 36-12)

作家
水木しげる
出版社
講談社
発売日
2010-07-15
ISBN
9784062767385
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敗走記 (講談社文庫 み 36-12) / 感想・レビュー

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kinkin

老眼鏡を替えてからの1冊目。コミックの文庫本化なので字が小さいので助かった。この本は6編とあとがきで構成されている。最初の『敗走記』はほぼ事実ということあとは一部フィクションとして書かれているとあとがきに書かれていた。水木さん自身も南方で従軍していので凄みが伝わってくる。あの戦争が終わってから今年で71年。あの戦争って何?という声が聞かれたりもする頃だし実体験された人も国民の1割か2割だと思う。あの戦争がもしなかったら日本の文化や技術はどうなっていたのか時々考えるこの頃・・・

2021/07/20

あたびー

水木先生の戦記物集。舞台となる場所はすべて南方で、実話やそれに近い話が含まれているという。戦後捕虜として収容所に収監されていた日本人が「生きて虜囚の辱めを受けず」の教育が徹底されていたために、自責の念に耐えかねて次々と自殺したという話は、当時の軍部政府の罪がどれだけ深く許しがたいかを物語る。中の1話の元になる話を語った水木先生の兄上は、敵機を撃ち落とした罪で巣鴨に収監されていたとか。それが本当だとすれば戦地に向かわされた兵は全て戦争犯罪人になってしまう。露兵は知っているのだろうか。

2022/04/06

空猫

玉砕しろ。責任をとって自決しろ。 敵に体当たりしろ。 命より軍旗を死守しろ。 米軍兵に「捕虜は恥でないから自殺するな」と言われてもそういう教育をうけていないのでその意味が理解できない。 無事に帰国すれば戦犯として処刑され …・・・(ノдヽ)

2021/10/13

軍旗を守り続ける話『ダンピール海峡』が印象的でした。自分の命を捨ててでも軍旗を守ろうとした軍人さんが沢山いたんですね。日本の歴史の詰まった、先人たちの血に染まった軍旗・・・兵士の最期、悲しかったです。 どのお話も実話で残酷すぎて・・・。読んで伝えていかなければならないと強く思います。

2013/03/29

みーなんきー

昭和19年頃、日本兵がラバウル辺りにいた頃の、水木氏以外の人が経験した話を描いている。現地の人たちとの、不思議な交流やカンデレ、という一旦相手を信じたなら、どんなことがあっても裏切らない絆など、今の日本にすら存在しない、人間の素朴な強さなども胸を打つ。戦争の中にありながら、人間の心や思いやり、心根の優しさ、などを描く点が水木しげる作品の魅力だと思う。

2017/10/13

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