名前探しの放課後(下) (講談社文庫 つ 28-10)
名前探しの放課後(下) (講談社文庫 つ 28-10) / 感想・レビュー
とも
登場人物の一人一人の個性が丁寧に描かれ吸い込まれる様に読了。にしても、後半にかけてガッと伏線の回収がされその結末にもただただビックリ。最後はグッと青春寄りに話が纏められたけど。あすな、河野、天木が個人的には好きやなぁ。他の辻村深月の著書との関連性もある様なので是非読まねば!物語の内容も引き込まれる内容やけど、それ以上に一人一人の個性の煌めきに心奪われる一冊でした。節目の200冊目がこの一冊で良かった。
2016/09/16
パトラッシュ
(承前)いつかと仲間たちが河野の自殺を防げそうな雰囲気になるが、微妙な違和感も少しずつ大きくなってくる。これが最後のどんでん返しとなる辻村作品の伏線なのだとわかっているが、どうしても正体がつかめない。そして迎えた最終章で、思いがけない真相を提示され呆気にとられてしまう。皆の懸命な活動自体が大きなトリックであり、スレたミステリ読者なら友情を利用した詐欺呼ばわりしかねないほどだ。しかし鮮やかな騙し方にとすがすがしい読後感に、そんなひねくれ者の主張など一蹴されてしまう。感受性豊かなティーンズ世代に読んでほしい。
2021/12/20
遥かなる想い
完全に辻村深月の術中にはまった。下巻の中盤まで読んでいて、少し退屈さを感じていた。高校生の物語は少し若すぎたか..と思っていた。 ところが、終盤思いもしない展開となり、はまった。考えてみれば、スローハイツと同じ展開なのだが、真の展開を伏せるのがうまい。
2011/03/20
yoshida
またもや辻村深月さんの作品で泣いてしまいました。暖かい涙です。読友の皆さんのおすすめの理由も納得です。私的には「ツナグ」に匹敵する感動でした。依田いつかと坂崎あすな達は、同級生の自殺を防ぐために懸命に動きまわる。遂に彼等の願いは叶えられたと思いきや、最後の最後でまさかの展開でした。辻村深月さんは現代の屈指の作家さんだと思う。幼い頃の挫折と焦り、スクールカースト、人間の真の強さ、心の動き。ここまで真に迫って物語を紡ぐ姿に脱帽です。私は中学時代のいつかが見た、あすなの凛とした言動が印象的でした。一気読みです。
2016/11/19
さてさて
人生で一番輝く時代・瞬間に偶然にも出会った彼らがお互いのことを思い、思いやり、そしてお互いがもっと輝けるように助け合い、励まし合い、そして、一緒に歩いて行くのを見る物語。あるべき自分たちの姿を探し求める放課後の日々の中で、『止められるのかな 私たちは本当に』という言葉の先に、上巻からは予想も出来なかったまさかの結末を見る物語。そんな物語の背景に高校生の彼らの友情・愛情が育まれていく瞬間を見るこの作品。これまでの辻村さんの歩みを総決算するかのようなこの作品。辻村さん、幸せな読後感を、ありがとうございました!
2021/05/07
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