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いつかは恋を (講談社文庫 ふ 38-11)

いつかは恋を (講談社文庫 ふ 38-11)

いつかは恋を (講談社文庫 ふ 38-11)

作家
藤田宜永
出版社
講談社
発売日
2010-11-12
ISBN
9784062767774
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いつかは恋を (講談社文庫 ふ 38-11) / 感想・レビュー

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ざるこ

アラ還の恋。それってどうよ?と思ったけど本当に読んでよかった!下町の金型工場。夫に先立たれ社長になり地道に頑張ってきた57才の久美子。タクシー運転手の寺坂と出逢い恋に落ちます。お互いに家族や仕事の苦悩を抱えつつ自身の気持ちの昂ぶりを冷静に受け止めながらゆっくりと寄り添っていきます。舅がとても粋で理解があるのは妻、嫁、母、社長と誠実に生きてきた久美子を信頼してるからだろう。若い頃の情熱的な恋と苦労の多かった結婚生活。潔く素直に全てを受け入れる久美子は人間としてとても魅力的。落ち着いた大人の素敵な恋物語です→

2019/10/25

K K

良かった。しっとりとした大人の恋愛小説。最後は泣けました。最近の恋愛小説のようにすぐ男女の仲になる浅はかさがないのがいい。歯がゆさを感じるくらい展開はゆったりしている。しかし、アラシスならではのお互いの抱えた重さや過去のしがらみを考えると至極当然。深みのあるストーリー。女性側は死別しているし、男性側は別居だから道ならぬ恋ではないが、精神を大事にした展開がいい。さすが、実生活で小池真理子のパートナー。女心をよくわかっている。名言続出。濃密な読書体験でした。やはり藤田宜永好き。

2016/12/21

MIKETOM

主人公は57歳とのことだが、そんな年齢で新しい恋愛は可能なのだろうか(還暦過ぎればさすがにもう終わりだろうなあ)。ちなみにこれを書いた時作者は57歳だったらしい。二人が結ばれるのは終盤になってから。藤田の書く不倫ものは早くから男女の仲になるけれども、本書はゆったりと時が流れていくようでやはり年齢にあった構成になっているようだ。ただし、恋に落ちるプロセスがやや雑。もうちょっと緻密に丁寧に書いたほうがよかったかな。全体的にやや薄いイメージ。もっとページ数をかけて濃厚に書いたほうがよかったと思う。

2016/03/04

onasu

久しぶりに恋愛小説もいいものです。主人公:久美子は、アラ還で恋愛は卒業したかのように暮らしていましたが、寺坂との偶然の出会いから、互いに惹かれあっていきます。二人の関係は不倫ではありませんが、それぞれに自らが招いたとも取れる家族の辛い過去を背負っており、全くのフリーでもありません。この辺りが、この年齢設定の妙でしょうか。久美子の趣味であるベエゴマも、下町の舞台設定にいい趣を添えています。映像化にも向いており、ヒロインに悩むところです。

2011/01/31

栗きんとん

藤田宣永らしい、大人の恋愛小説。 アラ還女性を取り巻く、娘や息子や夫や舅の問題に小さな町工場の女社長としての立場。従業員や高校時代の友人、工場関係の付き合いなどさまざまな人が絡み合い物語は進んでいく。ゆっくりゆったり、舅の世話をしてくれたタクシー運転手との恋が深まっていく。息子を持つ身として、最後は泣けた。

2023/12/11

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