晩鐘 続・泣きの銀次 (講談社文庫 う 44-7)
晩鐘 続・泣きの銀次 (講談社文庫 う 44-7) / 感想・レビュー
ぶち
前作から10年ぶりに執筆されたシリーズ2作目。お話も、10年の月日が過ぎたところから始まります。その間に、銀次の店は大店から小体な店になってしまい、十手も返上してしまっています。子も4人授かっています。そんな銀次に再び十手を握らせることになった猟奇的な事件は、なんともおぞましいものです。それでも、不惑となった銀次が下手人を追う姿には若い頃にはなかった大人の味も感じられて、新しい銀次に魅せられてしまいます。捕り物の醍醐味を味わえるシリーズ2作目でした。また、子供を可愛いがる銀次につい微笑んでしまいます。
2022/06/27
じいじ
十手を返上してから早十年、二度の江戸大火で大店も財産も失ったが、今は好くできた恋女房と8歳を頭に四人の子たちに恵まれて、銀次一家は苦しいながらも万々歳です。或る日、そんな銀次に再度の十手の…誘いが。女房のお芳は「泣き虫なおまえさんには、岡っ引きは向いてない…」という。しかし、折から江戸の娘達を次々に〈かどわかす〉悪党退治に、情には弱い銀次は黙っていられません……。やっぱり宇江佐さんの人情物語にハズレはありませんでした。思いっきり笑って、しんみりと泣かせてもらいました。
2022/12/06
kei302
伊三次も好きだけど、泣きの銀次もいいなあ。作品全体に漂う気配も好み。あれから十年、40歳の銀次。いろいろあったようですが、変わらずに支えてくれる人がいる。哀愁に満ちたラストの晩鐘の音が胸に響いた。
2022/05/01
shizuka
第一作よりぐっと面白くなっていた。銀次がすごいいいお父ちゃんになっててびっくり。優しくて強くて家族思いで最高。子供たちもこんなお父ちゃんの背中見てたら、嫌でもまっつぐ育っていくだろうな。お芳の小言もきちんと弁えられているし。理想の夫婦だ。さて事件はまたしても鬼畜な野郎が下手人。銀次はモンスターばかり相手にしてて、楽じゃない岡っ引きだよ。しかも次女が事件に巻き込まれるとか。ほんとハラハラした。心の臓にいけないよ。けれどだからこそ、読む手が止まらず一気に読破。ザ・エンターテイメント。次作はどうなる?!期待大!
2016/12/26
佐々陽太朗(K.Tsubota)
『泣きの銀次』の続編である。『泣きの銀次』を読んだのは四年前の三月のこと。続編が出ているとはつゆ知らず。最近、完結編『虚ろ舟』が出たのを知って『晩鐘』とあわせて買いました。一度は十手を返した銀次が表勘兵衛に請われて再び十手を手にした。情け深い「泣き」は健在だった。つれ合いと子供を得て生きていく中で、銀次は更に人として深みを増した。完結編『虚ろ舟』を早く読みたい。しかし、これからまずは仕事だ。私も生きて家族を養わねばならない。泣きのウェルズ。(笑)
2013/04/16
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