KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

苺をつぶしながら (講談社文庫 た 2-46)

苺をつぶしながら (講談社文庫 た 2-46)

苺をつぶしながら (講談社文庫 た 2-46)

作家
田辺聖子
出版社
講談社
発売日
2010-11-12
ISBN
9784062768023
amazonで購入する Kindle版を購入する

苺をつぶしながら (講談社文庫 た 2-46) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

しいたけ

乃里ちゃん三部作の最後。我らが乃里ちゃん、前作で離婚して自由になった。「ピッカピカの35歳」だの「私にとっては『男』も『自然』の一部だもん」等々、自分を一番大事にできる人生と孤独を取り戻した。それでも結婚前の乃里子とは違っている。ちょいちょい挟まれる剛との別れの後遺症。同乗していたオシャレな高級車から飛び降りた、加害者は自分との思いがいつもある。奔放に見えて優しいのだ。苺をつぶしてたっぷりミルクをかけ、誰の顔色も窺わず食べる幸せ。終盤の思わぬ展開にも爽やかな風が吹く。同乗の仕方は色々。人生は奥深い。

2017/05/27

優希

面白かったです。結婚解消で独身に戻った乃里子は輝いて見えました。キラキラとした時間を取り戻したのですね。一人暮らし以上の幸せなどないと言い切る乃里子の自由と孤独を謳歌する姿が魅力的です。乃里子は日々を楽しむ心を持っていながら、死への思いもあるのがリアルに感じました。結婚を解消したことで剛との新しい関係が生まれ、なかなか上手くやっているのは腐れ縁のなす業でしょうね。これからも色々ありそうですが、乃里子は軽々と飛び越えて、溌剌と時を過ごしていくのだと思います。

2016/05/07

mukimi

もはや我が心の友となった乃里子の三部作完結編。第1部:渇望する独身時代、第2部:不自由な結婚生活、そしてバツイチとなり女一人で生きる幸福に目覚め心踊らせる本作。乃里子の本領発揮…!読んでいて楽しくて高揚感に頬がほころんだ。私は今乃里子の第1部にあり、時に荒れ狂う大海原に放り出されて孤独と焦りで自己憐憫の涙を流したりするけど、稼げる女の独身生活は宝石箱。煩悩と悦楽に満ちたピカピカのアラサーライフを愉しもうと思えた。自己愛バンザイ!女でいる幸福を教えてくれた田辺先生のご冥福をお祈りし心から敬意を評したい。

2019/06/30

とも

「言い寄る」「私的生活」に続く三部作とは知らずに読んじゃった。「言い寄る」は随分前に既読やけど「私的生活」は未読。まぁ、関連性はあるんかも知れへんけど、田辺聖子さんの本を読むんにそんな関連性やらなんやらを気にして読む必要はないやろと。 離婚し自由気ままに独身生活を謳歌する乃理子の人生訓溢れる話。 『男の革命は赤眼を吊って、しやかりきに。女は「ニヤリ」と笑って革命する。』うんうん、納得。

2017/06/12

olive

乃里子シリーズの三作目。世間のしがらみとか生きづらさとか、ジメっとしそうな話をカラッと爽快に除湿させる乃里子が好き。女性が割を食っていると思ったらこの本を読めばいいよ。人間のプロの乃里子が救ってくれる。こうなりたいではなくこう楽しむが人間のプロの一歩かも♪

2019/07/27

感想・レビューをもっと見る