虹の彼方に (講談社文庫 い 122-1)
虹の彼方に (講談社文庫 い 122-1) / 感想・レビュー
feodor
池澤さんの本、久しぶり。2000年から2006年までのエッセイ。9.11を機に代わっていく世界の変化を語った貴重なエッセイといえる。大衆社会・マス社会である現代の中での知識人の役割を模索している池澤さんを感じる。とりわけ、「愚直な諮問機関としての知識人」。アメリカの問題、沖縄の問題というのは、いまだ解決されていないところがあり、まさにいまオスプレイの問題もある。いま読んでも、まったく新しいエッセイだった。
2012/07/13
魔魔男爵
00年代の世相をネタにしたエセイだが、理系ネタも書評ネタももちろんある。パトリシア・コーンウェルが×で、サラ・パレツキーが○なのがとても参考になった。コーンウェルは一つ読んで私的には△で、読むべき作家かポイする作家か保留していたが、池澤が読むのやめた宣言してるので、ポイ作家確定である。
2017/05/11
拓陽(いっぽまえへ)
ある文庫の解説で池澤氏を知った。その解説ぶりがあまりにも明晰なので、この作家はただ者ではないと感じ、早速この本を選択してみた。予想通りその論客ぶりはクオリティ高くて流石だ。私などが1度読んだくらいでは完全には理解できないけど、その見識と考察にはわからないなりに読んでいて愉しい。再読したい本が山積だが、その中に入れておきたい1冊。
2016/09/20
なおぱんだ
北海道出身の芥川賞作家である著者による’00年から’06年までの時事誌や新聞などに連載されたコラムなどの小文を収めたエッセイ集です。政治、戦争、宗教、原子力、沖縄などの日本を取り巻く諸問題や世界の動きを、舌鋒鋭く指摘し続ける著者の視点は、時代を超えて読む人たちに問いかけ続けます。一つ一つが2ページほどの小文なので読むには易いですが、その内容はとても深く、世界の中の日本人としての立場と、日本に生まれた文学人としての視点で語る著者の言葉は、読む人の胸の奥に強く訴えかけます。
2022/11/27
コウザイ
2000年から2006年に日本や世界はどんな状況だったのか、読みながら思い出した。特にアメリカのイラク侵攻についてのコラムはISILに脅威を感じている現状があるので暗澹たる思いを起こす。
2015/03/15
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