ふしぎ盆栽ホンノンボ (講談社文庫 み 62-1)
ふしぎ盆栽ホンノンボ (講談社文庫 み 62-1) / 感想・レビュー
pino
ベトナムのホンノンボに、ワクワクした著者がさらなる桃源郷に出会うため旅をしまくる。面白い形をした岩がミニチュア付きで水を張った鉢に収まっている。それがホンノンボ。ミニミニ人間になって探検したくなる、不思議な盆栽。やっ、待ってくれ。過度の肩入れは危険だ。チラリラ・チラリラ・・普通の世界に戻れなくなったらどうする。トワイライトゾーンはゴメンだ。妙にゾクゾクし始めた。著者がのめり込むほど、1ドン、100ドン、一億ドンと引いて距離を保つことにした。でも、著者の目の付け所は流石。ワクワクかゾクゾクかは、あなた次第。
2013/02/18
ホークス
ホンノンボは、鉢などに水を張って岩山を置き、ミニチュア陶器の人や建物、小植物を配した盆栽サイズのジオラマで、ベトナムではよく見られる。岩山は起伏に富んで洞窟もあり、ミニチュアのアバウトさがほのぼのした風情を醸し出す。ホンノンボの「別世界トリップ」の悦びにカラー写真で触れられるのが嬉しい。日本(日本人)の芸術観にある取り澄ましや勿体ぶった所がない、と言われてドキッとする。著者は中国の盆景も見に行くが、日本の盆栽同様、「本気過ぎ、芸術過ぎ」で楽しめない。著者だからこそ書ける不思議な桃源郷のお話である。
2018/03/05
saga
著者の他のエッセイの中でも紹介されていたベトナムの盆栽・ホンノンボ。はじめはホンノンボにしてもジェットコにしても読む気はなかったのだが、著者に心酔するうちに読みたくなった。著者の視点の面白さを再確認した。
2014/04/25
ふろんた2.0
ベトナムの盆栽ではなく盆景のホンノンボ。本書がなければ、表紙の箱庭のようなものに名前があるとは誰も気づかなかっただろう。ベトナムの雰囲気とホンノンボ鑑賞の旅のせいか他著と比較してのほほんとしています。
2016/01/10
かやは
ベトナムの盆栽ホンノンボ。山や緑が多く水も澄んでいる日本とは異なる環境であるベトナムでは、中国由来の盆栽もまた違った進化を遂げていた。何処かゆるくて、適当だけれど、洗練されていないがゆえのワクワク感に溢れている。ホンノンボを通じて著者が語る「秘密にたどり着けないことが面白さの条件」という言葉に納得できた。わかった瞬間、手に入れた瞬間、それは色褪せ新鮮味が無くなってしまう。「面白い」ということは「知らない」ことに限りなく近い。
2017/01/21
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