あなたの余命教えます (講談社文庫 こ 49-8)
あなたの余命教えます (講談社文庫 こ 49-8) / 感想・レビュー
えみ
聞かなければ気になって、聞いてしまえば後悔する。知ることで怯え、知らないことで悩む。人はなんて身勝手で欲深い生き物なのだろう。命を商品化する嫌悪と、微かな犯罪の香りを漂わせ、未来を誰かに握られているような、思考や行動を操られているような得体の知れない気味の悪さを感じていた。教えられた余命、知ることの無かった“生”の期限。“死”が目の前に提示された時、人はどのようにその現実を受け止めるのか。自分の余命を調べる者、家族の余命を調べる者、自分のために他人の余命を調べる者。誰が何のために?余命ビジネス…恐るべし。
2023/04/08
川越読書旅団
余命予測に翻弄される5人の被験者達と、彼らそれぞれの思惑が巧妙に描かれており、今作は女史が得意とする経済小説ではないものの、それなりに楽しめた作品。
2018/02/12
Walhalla
幸田真音さんの作品の中でも、経済金融小説ではない方の作品でした。 データマイニングの技術によって、人間の余命予測がビジネス化されるお話しですが、私も以前、(ほんの少しだけ)オペレーションズ・リサーチを学んだこともあり、興味深かったです。その真相は別として、物語は「アガスティアの葉」にも触れられておりますが、いつの日か、これらの技術が予防医学の基礎となり、余命予測が可能になる日が来るのでしょうか・・・。 どちらにしても、自分の寿命を知るというのは、やはり怖いです・・。
2017/05/22
BluePlanet
★4.1(2.90)2008年3月発行。なんとアガスティアのことが出てくるとは。ただ、1990年代に一時流行った青山圭秀氏の「アガスティアの葉」とは設定が若干異なりましたね。もしかして、同じ?と思ったら、こちらは、遺伝子や様々な個人情報をコンピュータで余命を計算するというもの。この本も小説としては、結構前半から後半手前までは、ぐいぐいと引き込まれていきました。ただ、何故が、幸田さんの作品はいつも最後が息切れしてしまいますね。最後どう展開するのかと思ったところで・・・なんかもう一工夫あると面白いのに残念。
2020/03/14
Chee
どんな展開になるのかな~と思って読み進めるのが楽しみでした。結末は・・・、こんなもんか、という感じ。ちょっと尻つぼみな気もしますが、仕方ないのかな。煙に巻かれる感じでしたが、そんなに読後感は悪くなかったです。
2020/07/16
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