不機嫌な恋人 (講談社文庫 た 2-47)
不機嫌な恋人 (講談社文庫 た 2-47) / 感想・レビュー
優希
面白かったです。平安時代の恋をめぐる1年が生き生きと描かれていました。恋する気持ちはいつの時代も変わらないものだなと思わされました。濃密な平安の雅な世界に、ゲームから本気へと変わる恋。本気の恋となると皆が不器用なのが微笑ましかったです。その恋は燃えつつも全員一方通行というのが切ないところでした。苦味と痛みを感じさせながらも共感と胸キュンは時代小説となってもおせいさんの世界観として健在です。恋愛の機微を描いた可愛らしい作品でした。
2016/09/12
coco夏ko10角
平安王朝が舞台の恋物語。はじまりもだけど、恋の終わりの描き方が素晴らしい。これ10代のときに読んでいたかったなぁ。キュンとする場面は違っただろうし、「あのときぴんとこなかったけど分かるようになった…」な箇所がいくつもあっただろう。そして10年後20年後また読みたい。
2020/03/21
とんかつラバー
昼と夜のメイクを使い分け、香りでその場の雰囲気を演出し、恋も仕事も楽しむ小侍従(今から1000年以上前の話だが女子力の高さが伝わって来る)そんな彼女と年下のチャラ男少将の話かと思いきや、次々と展開されるストーリーに後半は一気に読んでしまった。恋って甘く浮ついたもののようだが、恋によって狂っていく人々の姿が描き出され、むしろ現生の修羅道のようである。恋愛模様だけでなく、当時の働く女性の様子が細かに描写されているのも田辺聖子らしい。
2021/12/03
さんご
小侍従は頭が良すぎて切ないなあ。本当の恋を前にしてみんな不器用。小侍従と七条夫人を失って若くはつらつとした我が世の春を謳歌していた少将が、鬱屈のあるイイ男になるまだ途上で終わっている。君の物語はまだこれからだよ。
2014/05/16
ふみ
ファッション誌に載ってるモテテクより、この本の方が何倍も有益に感じた(笑)「運命の人」の可能性があっても、同じ瞬間に同じだけの熱量で愛しあうだのなんだのは、ほんとうにむつかしいことなのだと思った。
2015/11/24
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