命の遺伝子 (講談社文庫 た 110-2)
命の遺伝子 (講談社文庫 た 110-2) / 感想・レビュー
absinthe
ストーリーは良い。特殊な遺伝子を巡る陰謀と駆け引きが手に汗握る。スピード感はあるが、この文体は小説家らしくなく簡潔すぎる。翻訳物でさえ、もっと国内作家らしい表現に思われるのがあるくらいだ。最後にナチの残党と遺伝子を巡る戦いが始まるが、主人公は世界を救うことにはまるで興味が無い様だ。世界の為でなく一人の女の子を救うために戦うのだ。面白いし、おそらく考証もしっかりしていると思われるが、何か食い足りなさが残ってしまう。
2016/08/10
まつうら
復活を目論むナチスの残党と、ナチスへの復讐を誓うユダヤ系情報組織との戦いに巻き込まれた生命科学者のトオル。ナチスが老化しない技術を持っていることに興味を持つと、否応なしに巻き込まれていく。アマゾン、カリフォルニア、バチカンと冒険を続けながら、ナチスの謎に迫っていく様子は、昔定番だった勧善懲悪ヒーロー物語にそっくりで、なんだか先の展開が想像できてしまう。最後は悪の組織を破壊してハッピーエンド!というのも分かりやす過ぎ。細胞分裂とアポトーシス、死と進化の関係など、興味深いテーマを扱っているだけに残念な印象。
2023/03/22
James Hayashi
最初の刊行は2002年、まさしくES細胞やクローンが話題になっていた頃。それにヒットラーとナチを組み、ドイツ、人里離れたアマゾンの原生林の中、カリフォルニアなど世界が舞台の国際謀略小説。遺伝子などと書かれと目を背けたくなるが、以外と読みやすい。しかし、真面目すぎる著者らしく面白みが伝わってこない。ナチの残存を追うユダヤ人グループの姿が印象に残った。
2016/05/08
Yuri
なかなかに大風呂敷広げたなぁと。テロメア、アポトーシス、クローン、老いていく難病、不老不死と言われる遺伝子。ナチスにバチカン、舞台もジャングルの奥地までとお腹いっぱい。
2021/12/12
micky
永遠の命をテーマにした、遺伝子操作とナチスの亡霊の陰謀。 解説にもありますが、そのままハリウッド映画にできそうなエンタメ感あり、社会性ありないつもながらのち密でスピーディな一冊。
2021/07/03
感想・レビューをもっと見る