外科医 須磨久善 (講談社文庫 か 115-3)
外科医 須磨久善 (講談社文庫 か 115-3) / 感想・レビュー
りゅう☆
人に喜んでもらい、自分も幸せになるための手段として医師となった須磨先生。医療界のことはよく分からないけど、今の日本の外科医では彼の存在は絶対的だ。ローマ永住を選択せず、茨の道であるのは明らかなのに、培った医療技術を日本に持ち帰ろうと決断をした彼の凄さに感服。彼のおかげで救われた命は数えきれないのに、もっと優れた術式を求める精神に脱帽。念願の葉山ハートセンター設立後も、数年後には心臓血管研究所に身を置く。映画『チームバチスタの栄光』等の医療監修にも熱心だからこそ、吉川晃司のあの名演技に繋がったことに納得。→
2019/06/28
ビブリッサ
超一流の心臓外科医。須磨久善の実績は物語っている。日本人初めての海外での公開手術、新術式の確立、心臓バチスタ手術の先駆者。華々しい履歴は、患者に向き合い最善を尽くしてきた後に付随してきたものに過ぎない。箔づけなど一切不要の「破境者」。慢心しない情熱はどこから来るのか。外科医として殉教する気かも知れない。「一流とは地獄を見なければならないが、地獄を見ただけでは所詮二流。その地獄を知り、それを忘れなければならない。地獄に引きずられるようでは未熟です。」人の命の最前線で光を掲げる須磨は、超一流だ。
2017/05/08
gonta19
2011/7/20 Amazonより届く。2013/3/27〜3/31 海堂氏の『チームバチスタの栄光』で有名なバチスタ手術の第一人者、須磨久善氏のこれまでを描くノンフィクション。実に素晴らしい人物であり、使命感に燃えた医師である。成績が良いから医者になる、という人が多いと思うが、須磨氏のように使命感に燃えて医師を目指す人が増えて欲しいなあ。
2013/03/31
みやけん
★★★★☆チームバチスタよりも天城雪彦のモデルではないかと。破天荒なところや公開オペなんて普通できない。天城先生は好きな登場人物だったのでゾクゾクしながら読めた。事実は小説よりも奇なり。表紙はとっつきにくそうですが、厚みもなく内容も面白いので読みやすい。刺激をもらいました。
2020/06/28
James Hayashi
小説かと思ったが実在する人物を描いたノンフィクション。名前は覚えていなかったが「プロジェクトX」にも名を連ねたらしい。ドラマにもなった有名なバチスタ手術は成功率が低く、現在世界的に行われていないが、須磨はそれを進化させスマ手術として世界的に評価されている。天才的というより、革新的といえる手術を行っているようだが、孤高な人間像が伝わってきてインプレッシブだった。日本人は手先が器用なので、今後も世界的な外科医が陸続していくことを望む。
2015/07/24
感想・レビューをもっと見る