レッドゾーン(下) (講談社文庫 ま 54-7)
レッドゾーン(下) (講談社文庫 ま 54-7) / 感想・レビュー
W-G
前作が鷲津復活の物語とするなら、今作は飛躍を描いたもので、たしかにスケールは大きくなった。しかし、随所でまだ鷲津が不安定な思いを吐露していたり、モヤモヤさせられる。アランの死が鷲津に与えた影響がどれほどのものかが、ピンとくるように描かれてこなかったので、深く共感するに到らないからか。買収の攻防戦に関しては、予想もつかない奇策といえて楽しい。ただ、これがアカマの勝利と呼べるのだろうか?という疑問は残った。見方を変えると中国側の勝利ともいえるような。最後の大内と鷲津の一幕が締めくくりとして良かった。
2019/10/05
KAZOO
上巻よりも下巻の方が従来の面白さが復活したような感じがします。日本の自動車会社の内部的な抗争やアメリカの自動車産業も関連したりとさまざまな動きがみられます。また国家的な資金を背景とした中国ファンドや香港の資産家などなど、今回はどちらかというとファンド的な動きよりも国家が絡むエンターテイメントでした。
2017/07/19
ミカママ
とりあえず、一件落着。なんだか読めば読むほど、鷲津のキャラがわからなくなっていく。中年(?)男性のための、おとぎ話なんでしょうか。シリーズのめり込みましたが、私は一旦ここで休憩します。
2015/01/24
修一朗
一企業の買収話がでかくなって,日中米をまたいだ3国交渉になっちゃったところで鷲津さん,もはや経済再生担当大臣の振る舞いだ。中国に技術を根付かせたいなら,買収でなくて技術者養成でしょってオレも思うし,壮大な無駄遣いで外貨を減らすのがCICの役割とか,かなり中国依りに想像力を引き延ばした感あり。アカマの実力は技術もさることながら工場を核とした現場力に有り,ですよ。そんなわけで面白かったけども広げ過ぎてぼやけてしまった。第4作はまた国内に戻るのだろうか? グリードへ…
2018/09/12
アッシュ姉
日本最大の自動車メーカーを巡る壮大な買収劇。面白かった!!下巻はまさに怒涛の展開。今回も鷲津の采配に痺れた。「レッドゾーン」「ベイジン」はモデルとなる人物、企業や団体は実在しても物語はフィクションであるが、刊行から時を経て、現実が追い付いてきているのが興味深い。【虚構が現実にクロスする】真山さんの徹底した取材力、優れた分析力、豊かな発想力、先見の明に感嘆しきり。真山さんの取材スタイル、日本への危機感、この国への思いなどが語られた池上彰さんとの対談も必見だ。
2015/02/06
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