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戦国無常 首獲り (講談社文庫 い 124-1)

戦国無常 首獲り (講談社文庫 い 124-1)

戦国無常 首獲り (講談社文庫 い 124-1)

作家
伊東潤
出版社
講談社
発売日
2011-06-15
ISBN
9784062769976
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戦国無常 首獲り (講談社文庫 い 124-1) / 感想・レビュー

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とん大西

…何せ「首」です。戦場における功名。武勇の証。敗者は勝者に首を獲られ、勝者は敗者の首を獲る。理性吹き飛ぶ殺しあいの果て、最後の呼吸も終えぬうちに首を掻き切られ生を終える敗者。無惨、残酷です。その首を-盗む拾う奪う。理性も吹き飛べば誠意の欠片も亡くす。我欲の塊となった武者どもの浅ましさが何ともシュール。頼まれ首、雑兵首、拾い首。欲にかられ虎狼と化した輩達。我欲はやがて破滅を招く。何とも切ないながらも…滑稽ですらあります。名作6編、生々しい人間劇に何とも…シュールという曖昧模糊とした言葉がシックリきました。

2018/09/25

のぶのぶ

「黎明に起つ」「城をひとつ」の末端の兵たちのアナザーストーリー。首をとる、本当にフェアに扱われている。首は、敵をやっつけた者の物。拾い首も、もらい首も駄目。相手との命のやり取りをして勝った代償である。取ったものに褒美が与えられる、昇進をする。ごまかしはいけないし、切腹を申し渡される。最後の短編の「拾い首」、親子でありながら、正直であれ、父の教えを守る子。それにしても、拾い首の相手を討ち取ったのは、、、。男と男の間・柄親密な間柄、でも、討った人がなくなり、もらった人も手柄にはならない首獲りのルールの厳しさ。

2017/05/21

岡本

北条方の合戦での「首」をめぐる短編集。あとがきにある様に戦国時代における人間の致し方無い欲深さを表す逸話が多く、北条家の様に軍律がしっかりしていない他家では話の流れも違ったのかなと思ったりと想像も膨らみ、読み応えのある内容でした。著者の作品はこれで3冊目なのですが、どれも期待を裏切らない作品だったので他の作品も楽しみです。

2015/10/03

ひ ろ

★★★☆☆ 獲った首は功名の証。その首を廻っての短編集。戦国モノには付き物の首獲りだが、目を背けてきた感がある。ストーリーとしては素晴らしいが残酷極まりない。当時としては当然なのだろうな。

2019/07/01

hnzwd

戦国武士の敵の首を取るということに絡む人間ドラマ。平易な文章であるため読み易く、歴史背景はまったく必要ありません。首を取らなければ、という功名心と家を守りたいという気持ちが人間を狂わせるのか。興味深く読みました。

2013/01/02

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