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空へ向かう花 (講談社文庫 し 80-3)

空へ向かう花 (講談社文庫 し 80-3)

空へ向かう花 (講談社文庫 し 80-3)

作家
小路幸也
出版社
講談社
発売日
2011-09-15
ISBN
9784062770347
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空へ向かう花 (講談社文庫 し 80-3) / 感想・レビュー

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あつひめ

子供の心は無垢だから、周りの雑音を全て吸収してしまうのかも。子供なのに子供らしくない魂を持ってしまうことの切なさ。大人の責任だなぁ…子供にまでいろんなことを背負わせている。何があったのか…はっきりとは示さない展開。その重苦しい中で暮らす子供たちだけが目をそらさずに生きている。保護者たちの絶望感とこれからの現実をぶち当てることで止まっていた時計は動き出す。植物は、太陽の光、雨の水に助けられながら生長していく。人間の子供も親の愛と世間の見守りがあって育つんだよね…。いつまでも友情は続いてほしいな。

2014/10/18

七色一味

読破。その人らしいって言葉は、作者にとっていい言葉なのか悪い言葉なのかは判断に迷うところ。私だったら嫌だなぁって思うので、レビューでは使いたくないんですが…。これは良きにつけ悪しきにつけ「小路幸也さんらしい」作品です。みんな「自分の中での正義」にもとづいて行動していて、誰も悪くないのに、それでも追い詰められていってしまう。そしてそれを見守る大人たちが、どこか分別臭くて心優しい。象徴として使われるアイテムがちょっと「クサイ」感じがする。その辺りは拒否反応を示す方もいるかもしれません。

2013/04/02

眠たい治療家

自殺しようとする少年・ハルと、それを助けた少女・カホの二人の小学校六年生。家族に背を向けた老年の男・イザさん。花屋でバイトをしている大学生・キッペイ。重い悲しみ、癒える事のない苦しみを背負った四人が出会い、お互いに何かを埋め合う為に、贖罪と明日へ生きる意味を込めた屋上庭園造りが始まる。四人の内、一人の視点から他の誰かを映し出し、話が進行していく。人事故死の原因や人物の過去など明確にしない部分が多いが、それが重いテーマを重過ぎず、考え込まないように歯止めをかけている。心の再生を描く、どこまでも優しい物語。

2011/11/29

KAN

ある少女が、屋上から自殺しようとしている少年(人を殺したと思っている)を反射鏡を使って止めるところから物語は始まる。まあ、奇跡的に皆さん結ばれていて、少年も少女もその取り巻きの人達もいろいろと抱えているわけです。そんな中、皆の共同作業が始まり、乗り越えようとしていくんです。ホロッっと泣けます。後味もいいです。いい人しか登場しません。

2015/01/19

枠組みはぼんやりしている。でも、ちゃんと伝わる。時で区別しない、子供と大人の境界線。人生の主役を自分と捉えるか、もっと広い範囲と捉えるか。子供でいられない環境にいる子供に、無理矢理大人になるしかなかった子供に、周りは何が出来るだろう。最初は、私の周りには子供はいないし、私は私のために、好きに生きたらいいと思っていた。皆そう言うから。でも読んで今思う。自分の人生を生きるということは、どれだけこの世に与えられるか、なのかもしれないと。言葉だけで理解しにくいことを心で教えてくれるような、優しい小路さんが好きだ。

2012/09/19

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