きのうの世界(上) (講談社文庫 お 83-7)
きのうの世界(上) (講談社文庫 お 83-7) / 感想・レビュー
パトラッシュ
現実の隣に存在するSF(すこしふしぎ)な異世界を描くとき、恩田ワールドは本領を発揮する。「塔と水路の町」と称される地方都市が紹介される冒頭から不穏な空気が漂い、やがて東京で1年前に失踪した男が他殺体で発見されると、町を包んでいた薄皮に破れ目が走るのだ。それまで異常とは思われなかった瑣末な事実が突如違う意味を持ち、よそ者の来訪が平穏さを脅かす。なぜか住民は町の象徴たる塔に関心を払わず、不可解な現象が相次ぎ起こるのが明らかになる。気になって心がざわつく読者は、すでに作者の術中にはまっていると悟るのだ。(続く)
2022/12/11
青葉麒麟
町中や自分の家の周りに水路が沢山あったらなんだか怖いと思う。静かな時に水の流れる音だけがするのはゾクゾクする。誰も意識に止めない塔が在るのも何だか嫌な気分。背筋に忍び寄る何かが怖い小説。
2013/04/12
kishikan
これまで、恩田さんの本は8冊ほど読んできましたが、これまでとはやや趣が異なっているかな。ミステリなんだけど、登場人物、小説の舞台となる町、事件、どれも掴まえ所がないのです。謎が謎を呼び、どこまでも答えが見つからず、靄がかかったような気持ちで上巻を読み終えました。もっと不思議なのは、いつまでも輪郭がはっきりしない物語でありながら、もっと足を踏み入れてしまいたくなる誘惑を感じてしまうことなのです。これは魔力か!これ以上のコメントは、下巻を読んでから。
2011/11/07
優希
何も見えなかったというのが正直なところです。疑問が多く感じてしまうのは、様々な事柄が重なっているからでしょう。張り巡らされた伏線が下巻で綺麗に回収されるといいと思います。
2019/07/03
りょうこ
面白い‼上巻だけでこれだけの謎!まだ何も解決していないので、下巻が楽しみです(^-^)さっそく下巻に突入です(^-^)/
2012/02/07
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